魔法の起源:遺伝子的、後天的要因について
オックスフォードの遺伝子研究センターの研究者たちによる力作である。<Link>
伸長や体重などの身体的要因を決定する遺伝子については、昨今、様々な研究が行われているが、魔法能力に関わる遺伝子を発見する努力はほとんどなされていない。
我々は、J・K・ローリングの「ハリー・ポッター」シリーズを用いて、魔法能力が一つの遺伝子によって引き継がれている事を示唆したい。
「ハリー・ポッター」シリーズによれば、ほとんどの人間はマグルで、魔法使いは圧倒的少数派である。魔法使いのカップルからは魔法使いが生まれ、まれにスクイブと呼ばれるごく部分的にしか魔法能力を持たない子孫が生まれる事もある。
魔法使いとマグルの間では、常に魔法使いが生まれる。この場合、親のどちら側が魔法使いであるのか、と言う事についての事情はあまりはっきりしない。マグルどおしのカップルでは、ほぼマグルの子供が生まれるが、まれに魔法使いが生まれることもあり、スクイブが生まれる事はない。
以下、論文は遺伝機構や、図に示したような転写による遺伝子変異や、遺伝子発現の変化について一般的な説明を続け、上の事実を説明出来る理由として、単一ゲノムに魔法使い能力因子が規定されていると結論づける。そして、魔法使いたちが孤立した社会に籠もらざるを得なかったために、そのような遺伝的変化が濃縮されて保たれてきたと、この論文を結んでいる。
スクイブの存在について、なんか伏線めいた書き方がしてあったので、もうちょっと最新知見をトンデモ系に変形したような理論が展開されるかと思ったのだが、「未確認の代償的現象」と一言で済ましてあったのはいささか残念。やはりオックスフォードの知性は、あんまり際どいジョークはやらないらしい。



12 月 25th, 2007 at 11:51 AM
半年くらい前から覗かせてもらっています。移転完了、楽しみにしてました。お疲れさまでした。
そうですね。都市伝説を愛するものとしては、詳細に裏打ちされたように見える設定がほしかったです。あそこまでのベストセラーなら、きっと小説内の理論が一人歩きしてくれそうだったのに。