2007年ステラ賞発表
アカデミー賞の発表に先立ち、2007年度ステラ賞が発表されている。
この賞は、92年にドライブスルーで受け取った熱いコーヒーをこぼし、火傷したとマクドナルド社を訴え、290万ドルの賠償金を得たステラ・リーベック女史にちなんで、前年度、いちばん馬鹿馬鹿しい訴訟を起した個人、団体に対して贈られるものだ。<参考1⋅2>
3位は、セントリー保険会社。ここは老人への食事宅配会社「ミール・オン・ホイールズ」社の賠償保険を引き受けていたが、雪の日に宅配途中で転んで怪我をした配達ボランティアへの保険支払いの後、悪天候なのに宅配を頼んだことが事故の原因として、依頼した81才の老女を訴えた。
2位はイラク帰還兵、ロバート・ホーンベックの家族。ホーンベックは泥酔して、あるホテルの立ち入り禁止区域に侵入。空調機械の中に入り込んで、動き始めた機械で重傷を負い、死に至った。彼の家族は、酔っぱらいが立ち入り禁止の掲示を無視する危険を予見しなかったとして、ホテルに1000万ドルの賠償を求めて訴訟を起した。
1位を勝ち取ったのは結構有名な一件。ワシントンDC行政訴訟裁判所判事、ロイ・ピアソン(57)が、行きつけのクリーニング屋がお気に入りのズボンを紛失したとして、約6500万ドルの訴えを起したもの。<参照>
ピアソン判事は自ら代理人を務め、公判ではズボン紛失で如何に自分が傷ついたかを涙ながらに訴えて、訴えの正統性を主張したが、一審は「常識はずれの訴訟」としてそれを退けた。彼は昨年10月、裁判所の人事委員会から再任を拒否され、充分な時間を得て、その後も上告を続けている。
ちょっと前から、ステラ賞に取り上げられる訴訟は、ほとんど原告敗訴で終わっているようだ。訴訟天国と言われる米国の風向きは、既に変わっているんですかね。ジョークではありつつ、この賞の意向も、かなりバカ訴訟に対して冷ややかなものだ。
日本のように、法曹界は昔ながらのエスタブリッシュ寄りなのに、「世間」の風向きだけは正反対(ただし、当然ポピュリズムずぶずぶ)という微妙なバランスは特殊なものと言えるのかも。



2 月 25th, 2008 at 12:44 AM
個人の利益と権利を過剰に追求すれば、集団全体の不利益に直結するのは自明の理なのですが、どこで調和を取るかってのは、なかなか難しい課題ですね。行き過ぎたり、見逃しすぎたりしながら適度にシーソーを揺り動かしていくことで、社会の秩序ってのは守られていくもんだと思います。
日本でもネットの中では、プロ市民という言葉が定着し始めてきて、平和団体とか人権団体とかの中に、かなり胡散臭い連中が多いというコンセンサスが熟成されているので、遠からずそう言う連中が排除できることに期待しています。
2 月 25th, 2008 at 3:48 AM
81歳の老女に笑いました。
それにつけても、日本の産科医の訴訟はどっち向くことになるんでしょうねぇ。福島とか奈良とか
3 月 9th, 2008 at 9:11 PM
配達を頼むのさえ、一々天候を気にしろって・・・・・まぁ、高額の賠償金で医療崩壊しまくりの彼の国だからこその出来事なんでしょうが。
>プロ市民
まぁ、常識外れのことを排除できれば良いのでしょうけど、これが却って「少しでも文句を言うのはタカリ根性云々」ってなってしまうと、これはこれで問題ありって気が。