イラク派遣兵は犬を投げたか?
先週、イラクに派遣された米海兵隊兵士のビデオが世界中の動画投稿サイトにアップされ、話題になっている。短いものなので、見て頂ければ一目瞭然であるが、正直言って極めて後味の悪い映像なので、覚悟されたい。
始めに仔犬に向けている笑顔を崩さぬまま、遠くへ投げ捨てて殺す様子になかなか鬼気迫るものがあって、観るものを戦慄させる。その様子から、このビデオは作り物ではないか、死んだ仔犬か縫いぐるみをつかって、あんな風な鬼畜趣味映像を作ったのではないか、というコメントが当初は寄せられていたという。確かに、ウソだと思いたい映像である。
ところが、世の中にはしつこい人がいるようで、この犬を投げた兵士の名前は特定され、しかもその人物が開設しているMy Spaceまで探し当てられている。その内容をみれば、あれはやはり本当であることが判る。現在、そのデビッド・モタリ海兵隊員のサイトは友人以外閲覧出来ないようになっているが、それ以前に彼自身が書いていたビデオに対するコメントがYouTubeに引用されているので、以下に訳出しておいた。
——————–
まず第一に、犬のことについて残念だなとは思っていると言いたいね。でも、何で皆がそんなに苛つくのか判らないね。小汚い野良犬だぜ。どうなろうがいいだろ。このあたりじゃ、ごく普通に人々が吹き飛ばされているんだ。それもタオルで頭を包んだクソ野郎だけじゃなく、俺の友達もね。
まず、明日までに明らかにしておきたいことがある。信じないかも知れないが、あの犬に対しては、本当に気の毒に思っているんだ。あの時、確かにそんなことを気にしなかった。長らく銃火の下にいれば、人間はちょっと違ったユーモアのセンスを持ってしまうものなんだ。あのビデオは一年以上も前のもので、誰があんなところにアップしたのか、俺は知らないし、もちろん俺がアップしたわけでもない。
これはちょっときつい体験だった。何で俺の個人情報が明らかにされたのか判らないが、とにかくあれが俺だったってことを誰かがばらしてしまったので、俺は両親や恋人の電話接続まで切る必要に迫られてしまった。俺のマイスペースもハックされて書き換えられたんだぜ。もういい加減終わりにしてほしい。
あんたたちは俺があの病気の野良犬をパトロールのついでに、10マイル離れた基地まで連れて帰るべきだった、というつもりか?兵隊が犬を飼うなんてできっこないのは知ってるだろ?あんなところで犬用の薬なんか手にはいると思っているのか?あんたらがどんな下らんことを俺に望もうが、あいつはもう死にかけていたんだ。
あれを見た奴には悪いが、普通はあんな風なことをすることはない。いつもなら、単純に撃ち殺しているよ。あの日はちょっと「クリエーティブ」に行こうと思って、撃つかわりに投げてみたと言うわけだ。あの時に戻れてもそうするね。俺はあの犬を助けたんだ。あんたらがそれを理解しないのは残念だ。
あんたらは知らんだろうが、あの犬は道ばたで病み、飢えていた。俺はそれを助けてやったのさ。死のうとしている犬をね。
——————<引用以上>
いささか逆ギレ気味の「弁明」である。多分、本人には何で人がそれを問題にするのか、全く判らないのであろう。病気の仔犬を楽にしてやった、という気持ちにウソはないのだろうが、明らかにそれを楽しんでいる彼らには、暗然たるものを感じる方が普通であろう。
報道によれば、海兵隊当局はこの問題について次のような声明を発表したという。「あのビデオはショッキングで嘆かわしく、すべての海兵隊員に求められる高いレベルの倫理にもとるものだ。我々はこのような行為を認めることは出来ず、適切な対応をとることを約束する」。
もっとも、イラク侵攻で犠牲になった民間人の概数すらはっきりしないのに、仔犬殺しなら問題になる、というのも妙な話ではあるのだが。<Via>



3 月 6th, 2008 at 9:13 PM
前世紀前半に動物愛護法(罰則付き)を制定するなど、動物愛護に熱心だった国を思い出します。
(狩猟について)
森のへりを無垢で無防備で、なんの疑いも抱いていない哀れな動物が駆け抜けようとする。
これを狙い撃ちで射殺する。
それがそんなに楽しいのかね?
人殺しそのものではないか!
byハインリヒ・ヒムラー(ナチス親衛隊長官)
……人殺しそのもの……って。
3 月 6th, 2008 at 10:42 PM
まあ、私は日本の平和な一市民なので、ああ、犬がかわいそうだな、
と普通に思うのですが、同時に、そんなありきたりの感想を持つ
のは、平和で余裕があり、他人事でかたずけられる立場にいる
ということでもあるのでしょう。
日々人間が死んでいく現場の兵士の精神状態は、直接経験した者で
なければ解らないというのが、持論です。
「東京大空襲のあと、そこここに人間の死体が散らばっている
ところを歩いたのよ」という72歳の母の体験すら、リアルに
想像しきれない自分には、犬の映像の背後に隠れた空気を
読むことなど到底できないのだと思っております。
3 月 7th, 2008 at 6:12 PM
人としておかしい食料を与えてそのままほかっとけばよかったのに
3 月 8th, 2008 at 12:22 AM
この「犬」の部分に,「○○人」と入れても,多分あんまり本人の自己正当性を主張する表現において,違いはないかもと勝手に感じてしまいました。こうじゃないとやってられない人間が普通に出てくる前線と正義を取り繕わねばならない上の方とのギャップに笑うしかないです。
3 月 8th, 2008 at 12:37 AM
動画は削除されていて見れませんでした。
なので、見ずにコメントしてるわけですが、セイジのパパ氏に賛成。
3 月 8th, 2008 at 12:40 AM
坂東眞砂子さん騒動の時にも思ったことですが…
殺すだけなら、まあなんとか理解できなくもない(共感はしないけど)。
でも殺し方ってもんがあるでしょうに。
しかし、坂東さんにしろこの米兵にしろ、自分の手を汚しているだけある意味マシなのかも知れません。飼っている動物を保健所に持ち込んだりする人よりは。
3 月 8th, 2008 at 12:56 AM
また新しく画像がアップされていましたので、URLを変更しておきました。
もしYouTubeで閲覧出来なくても、以下のURLなら削除されないはずです。
http://puppytoss.com/
http://www.dumpert.nl/media...
3 月 8th, 2008 at 4:23 AM
なるほど、本人側からの意見というのは聞くに値する情報でした。
ありがとうございました。
彼の視点では、アレは悪事ではなかった。
3 月 9th, 2008 at 12:10 AM
ひどい…。子犬だって立派な生き物だよ。五才位の子供を殺してるようなもんだ。しかも、笑ってるなんて…正常じゃない。
病気で治せないから殺すの?間違ってる。可哀想だよ…。信じられない!
3 月 9th, 2008 at 7:38 AM
願いはあそこから落とされても生きて居る事です。
猫だったら生きて居るかも?
あの海兵隊員、どうせ暇だったでしょう。前線で死ねばいいのに。
3 月 9th, 2008 at 3:16 PM
面白がって動物を殺すような人々はこの世に腐るほどいます。なにせこの地球上に人類は少なくとも65億人はいるといわれているくらいですから。少し前に日本でも、子猫を切り刻んで、生首を人目につくようなところに放置したって事件もありましたし、私の地元でも猫を橋の上から川に投げ込んだ子供がいたくらいですから。
3 月 10th, 2008 at 3:47 AM
それはそうと、この人「適切な」治療とかそういうものを受けるのかしら?
適当に麻痺してないと戦争なんて遂行できないけれど、あんまり痺れ切っちゃうと、不正規戦じゃないから問題になりそうですし。
どうもシェルショック以後あんまり表沙汰にならない気が<米軍。
3 月 10th, 2008 at 7:44 AM
確かに、前線の兵士の心理状態は、その立場にならないとわかりません。
そしてそれを考えると、そういう心理状態の兵士が身近に駐留しているイラク市民の心理状態というのもまたどんなものかな、と思えます。
まあ、いずれにしても体験したくないものですが。
3 月 10th, 2008 at 8:45 PM
そんなあなたのための社会復帰プログラム。
街中へ放される前に、一定期間基地内の施設で過ごします。
兵士には模擬貨幣が渡され、施設内の模擬店でお買い物をしたり友人と過ごしたりします。
ハンバーガーショップでビッ○○ックをほおばり、スタ○○ックスでコーヒーをすすり、友達を誘って映画館へ映画を観に行きましょう。
手紙を書くのもよし、日記をつけるのもよし、ゆっくり読書を楽しむのも。
「町」には女の子もいます。適切と思われる言葉遣いで話しかけてみましょう。私服とはいえもちろん婦人兵ですが。
いさかいが起これば状況次第で逮捕され、規則に従って処罰を受けることも。
こうして徐々に日常生活を取り戻してゆくのだとか。
だってこうしないと復員兵による犯罪の発生率があまりに高いものだから。
3 月 10th, 2008 at 11:47 PM
先日英語の番組を見ていたら、YouTubeを作った人が出ていました。YouTubeでは、残酷な物は削除するようにしているようですが、検索してみたらすぐに奇形児のサイトを見付けられました。
インターネットの功罪は色々有りますが、自分が被害者や加害者にならないよう気をつけるのも大変だと痛感します。
3 月 12th, 2008 at 4:39 AM
動物界では弱肉強食で生態バランスをとっているようですが、その定義が素直に当てはまらない[人間界]って恐いですね。世界を見渡すと欲の塊(何処のどなた達とは言いませんが…)が今の歴史を動かしてるような…。戦争が無ければ子犬も今頃…。悲しいけど世界中の大多数の想いとは裏腹に今があるようです。