研究論文内容に訴訟?
数日前のエントリーでも述べたように、高齢者の医療・療養機関における転倒時の骨折は深刻な問題で、その予防には決定的な方法がないのが現状である。
予防法の一つに、転倒時に骨折しやすい部位である股関節部にプロテクターを装着するというものがあり、日本でも様々な工夫を凝らした製品が入手可能である。
私も老人性認知症専門病棟を担当していた時、転倒と骨折が相次いだため、これを導入しようかと検討したことがあったが、コスト負担の問題で先送りとなった経験がある。
それに、確かに基礎的実験では転倒時の衝撃はある程度緩和されるデーターはあったものの、本当に骨折を予防するかどうかについては、今ひとつすっきりしなかっというのもある。
ハーバードの老人医学研究者、ダグラス・キール準教授たちのグループは、37の療養施設で1000人以上の被験者を対象に、20ヶ月にわたってプロテクターの有用性を検討した。被検者に片方にだけ緩衝体が入ったプロテクターをつけてもらい、保護側と非保護側の骨折率の差を見るという方法である。<Link>
その結果、両側の骨折率には統計的有意な差は見られなかった。つまり、現在市販されているプロテクターには、骨折防止作用はないという結論である。
この結論に対し、プロテクターを作っている企業の一つ、ヒップセイバー社が訴訟を検討しているという。「キール博士たちは、もっと適切な科学的正確さをもってその結論を導くべきであった。この研究は税金を使って行われたにもかかわらず、障害防止に寄与するプロテクターの有用性を無視した、極めて無責任なものだ」とのこと。
キール博士たちの研究結果で、プロテクター一般の無効性が証明されたわけではないのに、なぜかえらく過敏なのは、やはり余り効果がない事を自覚しているからでしょうかね。企業としては確かにキツイかもしれないが、無効だという意見は製品をより改良するいいきっかけだと思うんだが。
訴訟経過はあんまりはっきりしないが、実際に提訴されているなら、まず来年のステラ賞受賞は間違いない一件でありましょう。<Via>



3 月 11th, 2008 at 8:46 AM
オートバイ用プロテクタ類も公道では有利であるという文献が
あるのでしょうか・・・。
あれも打ち所が悪ければ骨の二三本は簡単に折れるでしょう。
オフロードコース内では必要不可欠ですが。
(痛くて走ってられない)