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暴力的ゲームは青少年に害をもたらさない

2008年5月14日 at 11:55 pm in PC・ネット・CMS, 医学・科学一般 |

GTA4先月末、グランドセフトオート(GTA)4(PS3版・XBOX版)が発売され、好調な売れ行きをみせている。一部には、こうした暴力的なゲームが若者の非行や暴力的傾向を助長すると危惧する意見があるが、ビデオゲームの影響に関する著作を重ねている精神医学研究者たちは、心配するに及ばないという。

ハーバード大学の精神医学研究者であり、メディアにもよく登場する、ローレンス・カトナー博士と、その妻のシェリル・オルソン博士によって書かれた「グランドセフト・チャイルドフッド:ビデオゲームの驚くべき真実と両親が出来ること」というモノグラフでは、ビデオゲームと青少年の暴力傾向について、詳しく考察されている。

その副題でほのめかされているように、著者たちの意図は、両親に健康的な指針を示し、最近の感情的な反ゲーム風潮に対応できるよう、適切なアドバイスを行うことである。

カトナーとオルソンは、2004年から2006年にかけて、青少年の暴力的行動とビデオゲームの関係性について、全米1200人強の中学生と500人以上の両親を対象にした調査をおこなっている。著者たちは調査対象の中学生たちはほとんど、暴力的なM-rated(17歳以上向け)のゲームを日常的にプレイしていることを見いだした。男子生徒はGTAをもっとも好み、女子生徒にはGTAはシムズに続いて2位であった。

しかし、暴力的内容のゲームが青少年の暴力行動や反社会的行為と関連するかといえば、そんなことはないと著者たちは言う。統計的には、Mレートのゲームに凝ることと、少年たちの問題行動には若干の関連があるかに見えるのだが、著者たちは因果関係については異を唱える。むしろ、男子の場合、全くビデオゲームをやらない生徒に、万引きやケンカというような問題を見ることが多いのである。

著者たちは、男子生徒の場合特に、ゲームが社会的参加という側面を持つこと強調している。少年男子にとっては、ビデオゲームをやることはそれがMレートであろうと正常なのだ。ゲームによって彼らは仲間とつながり、気分転換と会話の糸口にする。ゲームへの興味は、引きこもり傾向や反社会傾向を示すのではなく、ストレスや退屈から自分を救い出す手段なのだ。少年たちは、しばしば大人たちよりもよほど、ゲームの世界と現実の中での暴力を区別する力がある。

著者たちは暴力的ゲームへの興味が、深刻な問題点の徴候となっている少数例があることを認めてはいる。しかし、そういうケースのゲーム耽溺は、全体的問題から言えば些細なことだとも指摘している。「両親たちは、暴力的ゲームが子供たちの行動や価値観に深い影響を与えると心配する必要はない」、まして「ゲーム嗜癖」という病名をつけて、治療に導くことを無思慮なことと批判する。それはインチキ治療でしかなく、ゲームを無意味に悪魔化し、もっと重要な問題を隠蔽しているに過ぎないと。<以上こちらからの引用>

更なる内容を要約すると、ゲーム批判派の「ゲームが行動の正確さや集中力を奪う」と言った類の根拠のない主張への反論、批判派が現実の社会に蔓延する暴力傾向を隠蔽する政治的な傾向を持っていることなどを指摘しながら、両親に対しては、ゲームだけでなく、メディアリテラシーを高め、社会に対しての興味と関心を持つように指導するという、ごく常識的対応をすすめている。

発祥いらい、人類はその時代のテクノロジーに応じたゲームを作り出し、単純に楽しんできた。時には賭け事などに拡張利用して身を滅ぼす人もいただろうが、金も賭けないビデオゲームに破滅的作用があるわけがない。私も長らく今の商売をしているが、何らかのゲーム耽溺が深刻な精神的危機をもたらした、なんていうケースをいまだかって見たことがない。むしろその逆、ゲームで危機を回避した例なら山ほど見ているけど。引きこもりが続く例でも、ゲームばっかりやっている、なんて聞くとちょっと安心したりするほどで。

この本では、バージニア工科大乱射事件の犯人、チョ・スンヒは全くPCゲームをやらなかったということにもページがさかれているそうだ。彼に一晩徹夜でGTAでもやって、めまいで翌日フラフラなんて経験があれば、あそこまで孤立する事はなかったのではないだろうか。少なくとも、自分の病的傾向を対象化する契機にはなって、悲惨な事件を回避出来ていたかも、と言うのはちょっと甘いか。

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