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月別アーカイブ: 2008年7月


神は年金加入を許さない

32才になるA子が私の外来を初診したのは、もう20年近く昔のことである。彼女は診察室で下を向いたまま、長らく逡巡している様子だったが、やがて意を決したかのようにこういった。

「私、もう夢も希望もないんです。どうしていいのか判らないんです」。かなりしっかりした口調でそう語ると、また口をつぐんで下を向く。まあこういうことはよくあるので、こちらも見当外れの促しなどをせずに観察を続ける。

彼女は全く化粧気がなく、あえて地味さを強調するような衣服に身を包んでいた。整った顔立ちからはそれなりの教養と利発さ、意志の強さが窺える。困惑を口にするものの、悲嘆に暮れているという印象はない。むしろ自分の訴えが理解されるかどうか、自信が持てないのであろう。

そこで、「どういったことに希望を持てないんですか?」と質問を向ける。彼女はちょっと間を置き、「私、滅びるしかないんです」、と答えた。「滅びる?肉体的に、ということですか?」と問い直すと、彼女はその後、結構雄弁に自分の苦境について語り始めた。

曰く、彼女は10代の終わりから某キリスト教系の新宗教を信じ、布教活動にも熱心に参加してきた。数年前、母親が脳血管障害で寝たきりになり、それを期に仕事も辞め、宗教活動と介助だけの生活をしてきた。教団の教えでは、やがてこの世には終わりが来て、義人たちはこの地上で復活し、永遠の命を得ることになるとされている。

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病院へ行こう:再診編

初診の時に撮った3DCTの結果を聞くために、仕事を休んで病院を再診。堂々と仕事を休めるのは有り難いが、給料を貰えるわけでもないのに病院に行くというのが今ひとつ。長々と待たされて痛い目にも会い、その上金をふんだくられるのがシャクである。

心房細動というのは、肺から酸素化された血液が心臓に注ぎ込む部位である左心房後壁あたりの細胞群が異常な電気的興奮をするようになり、それが心室に伝わって周期的律動が乱れ、五月雨風収縮になるのがその本態なのだそうだ。したがって、肺静脈流入路を電気的に隔離すれば、本来の洞律動を取り戻すと期待できる。

そこで、電気的興奮を起こさない、伝えない程度に左房の後壁を高周波で焼くという治療が行われるわけだが、多数の細胞が勝手に興奮するのを抑えるには、カテーテルの先端で狭い範囲を焼いていく方法では、何十ヶ所も焼かねばならず、技術も必要だし何より面倒である。そこで、風船を左房内で膨らませ、それを使って加熱すると言う方法を、この病院のスタッフが主導して開発した。

私は心房細動が慢性化してしまってから、何度もカテーテル治療を考えたが、治癒率がせいぜい2~3割だとか、再発率が極めて高いというような話を聞いて躊躇していた。それがここの病院ではほぼ9割の治癒率だという。思い切って受けて見ようと決心するのに、充分すぎる数字である。ここが家から近いという条件も大きかったが。

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同じ錯覚が視覚と触覚で起こる?

左の図は有名な錯覚の一つなんだそうで、要は対角線上に書かれた二つの黒丸が、交互に左下右上と左上右下と入れ替わるというもの。

人がこれを見ると、黒丸が上下、もしくは左右に移動しているように見えるが、しばらくすると上下移動を見ていた人は左右移動に、左右移動の場合は上下と入れ替わるという。

不連続な点の位置変化を脳は連続運動として見たがるが、上下左右どちらへの動きも優位な訳ではないので、まばたきだとか視線の変化で入れ替わってしまうらしい。

これが触覚の場合ならどうか、と考えて実験したのがMITとハーバードの研究者。彼らは視覚障害者に画像を伝える目的で開発中だった触覚ディスプレイを使い、上の図形と同じ(と言っても『画素』60だそうで、かなり大ざっぱ)触覚形体の変化をボランティア被検者に触知して貰ったところ、視覚の場合と全く同じように、上下もしくは左右の運動錯覚が反転する現象が見られたという。

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顔面スペクトル:ブンガク・政治ライン

hosaka_murakami_nukaga最近、専門学者による筆のすさび系ブログのなかでとりわけ評判の高い、Dr.Marksのブログに、芥川賞作家保坂和志と村上春樹の顔面相似について書かれていた。

例によって三幅対に拡張すべく検討してみたら、大物政治家の額賀福志郎が適当かと思われたので早速作図。

保坂和志にはまだ肥満の徴候は見られず、若い頃の村上春樹を思わせる貧乏神風貌を維持しているが、村上の方は大家の貫禄を獲得し、それが額賀との類似性を際立てている。もともと、こめかみの絞り込まれ具合と小さめの目、頬骨の広がりという類縁性があるわけだけれど。あ、宮川大助でもよかったかな。

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病院に行こう:初診外来編

病院受診の為に夏休みを取るという、損失感をぬぐえぬ夏の日の朝、海岸通りを一路H山ハートセンターに向うのであった。裕次郎の300SLなら、ちょっと走るのは難しかろうと思われる狭く彎曲した道路の傍らに、目指す病院はあった。こちらのほうはモナコのプチホテルだと言っても通りそうな、リッチで瀟洒な作りである。

渋滞を覚悟してやたらに早く出たので、まだ受付も始まっていない時間に着いてしまったが、それでも応対する職員は親切に番号札を渡してくれ、時間通りに受付は始まるのである。もっとも、ここから関門は数多く、問診票書き入れ、血圧・身長・体重測定、簡単な問診、心電図・心エコー検査、採血、造影3DCTをこなしていかないといけない。

実際の診察は、聴診やらの儀礼的理学検査もなく、今後の治療方針の確認という一点のみ。多分、ほとんどの患者も他の病院からの紹介患者なので、同じようなものだろう。まあ、同業者だという理由もあるか。

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病院に行こう:初診予約完了

数年前から持病になってしまっていた不整脈の根治治療を受ける決心がようやくつき、このあたりではそこそこ有名なH山ハートセンターという、名前からしてオサレな病院に初診の予約を済ませる。休みを取る都合で、来週後半になってしまったのが難。

今まで無視していたと言うわけではなく、私が患っている程度の不整脈なら、脈拍が早くなりすぎないようにしておけば、予後はそれほど悪くないという意見に乗っかっていたからである。先端治療にはそれなりのリスクと陥穽があるという、自分自身のローテク主義にも合致していたので。

でも最近、普段の立ち振る舞いもきつくなってきたような気もするので、ここらで専門家の意見を素直に聞くのも悪くない、と思うようになったのである。

調べてみればこのH山ハートセンターという病院は、かの徳○会チェーンであるということが判明。海岸沿いの洒落たオーナーシェフレストランだと思っていたら、なんのことはない大戸屋の支店だった、と言うのに近い肩すかし感を覚えないでもない。別に大戸屋に含むところはないですが。

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しばらく更新頻度が落ちます

更新をちょっとサボっていたら、いつの間にやら10日ほどたってしまっている。実のところを言うと、3回ほど記事は書いていたのだが、何故かそう言うときは回線の具合が悪くてアップできなかったりする。翌日に冷静な目で読み直すと、ボツが順当という気分になるのですなぁ。

それに、この間●十○回目の誕生日が来てしまったのも要因の一つ。この歳になると、そろそろ開業でもして、老後資金をセコく溜め込む方向を目指した方がいいか、なんて考えたりする。とは言うものの、イヤ待て、今の職場で破格の扱いをされているのを忘れてはいかん、どこの世の中に月あたり労働時間が100時間以下で、時給換算すれば大前春子の数倍なんて労働条件があるかと考えて、自己責任のリスクばかりが目についてしまう。

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