病院へ行こう:再診編
初診の時に撮った3DCTの結果を聞くために、仕事を休んで病院を再診。堂々と仕事を休めるのは有り難いが、給料を貰えるわけでもないのに病院に行くというのが今ひとつ。長々と待たされて痛い目にも会い、その上金をふんだくられるのがシャクである。
心房細動というのは、肺から酸素化された血液が心臓に注ぎ込む部位である左心房後壁あたりの細胞群が異常な電気的興奮をするようになり、それが心室に伝わって周期的律動が乱れ、五月雨風収縮になるのがその本態なのだそうだ。したがって、肺静脈流入路を電気的に隔離すれば、本来の洞律動を取り戻すと期待できる。
そこで、電気的興奮を起こさない、伝えない程度に左房の後壁を高周波で焼くという治療が行われるわけだが、多数の細胞が勝手に興奮するのを抑えるには、カテーテルの先端で狭い範囲を焼いていく方法では、何十ヶ所も焼かねばならず、技術も必要だし何より面倒である。そこで、風船を左房内で膨らませ、それを使って加熱すると言う方法を、この病院のスタッフが主導して開発した。
私は心房細動が慢性化してしまってから、何度もカテーテル治療を考えたが、治癒率がせいぜい2~3割だとか、再発率が極めて高いというような話を聞いて躊躇していた。それがここの病院ではほぼ9割の治癒率だという。思い切って受けて見ようと決心するのに、充分すぎる数字である。ここが家から近いという条件も大きかったが。
今日の再診では、心房内に血栓があるかどうかの確認が中心。心臓が周期的に収縮していないと、血液がかき回されて血栓を作りやすくなり、脳梗塞やら他の部分の血管塞栓を引き起こす原因となる。まして、カテーテルを心臓内に突っ込むわけだから、リスクはかなり高くなるわけである。
もっとも、今まで何度もエコー検査で確認していたので(これは全く苦痛がないため、私でも気にせず受けられる)、まずこれは大丈夫であるはずだが、3DCTでのチェックがルーティンらしいので渋々受けていた。検査はかなり不快なものだったが、おかげで自分の心臓の内側を見るという滅多にない体験が出来た。
そんなわけで、治療予約をする運びとなったのだが、希望者が殺到しているらしく、一番早い施術予約日が10月中旬とのことである。入院は約一週間。8月後半にはすべて済ませられると思っていたのだが、ちょっと甘かった。今までの説明では、リスクはかなり低く、ほとんどメリットばっかりなので、治療希望者が増えるのは当然だろう。でも、何か見逃されているような気がしてしょうがないんだよねぇ。時間もあることだし、自分で納得できるように、基礎文献のチェックでもやろう。



7 月 25th, 2008 at 12:04 AM
ご挨拶が遅れましたが、記事を紹介してくださってありがとうございます。その後、私も先生のこの欄をブクマして読んでおります。今日は先生ご自身が手術の予定ということで驚きました。
素人がこのような重大な場面で余計なことを言ってはいけないのですが、アメリカと何か違うような気がしました。アメリカでは身辺で(大都会部ですが)見聞きする限り、ほとんどバイパス手術で、複数バイパスでも数時間の手術、術後は3日間の入院で4日目から自宅で数日静養するだけです。カテーテル・バルーンは余り聞かないように思います。でも、そちらのほうが日本では医師が熟達しているのでしょうね。(アメリカ人は不器用だから切り刻む。)
施術がうまくいくようお祈り申し上げます。術後は、バイパス、バルーンいずれにしろ、息をするのさえ楽になって若返るそうですよ。その意味では楽しみですね。お大事に。
7 月 25th, 2008 at 8:41 PM
↑それは心筋梗塞のことでしょう…
いずれにせよアブレーションだって標準治療ではないし、その上をいく非標準治療ですからアメリカでやってはいないでしょうが。
7 月 25th, 2008 at 11:05 PM
>Dr.Marks
「正当な権威への意味のない反発から来ていると思われる不快感がまず湧いてくる内容」なんて、無礼な紹介をしたのに、こちらの体調に気を使っていただき、まことに痛み入ります。
>Dr.Aspirin
不整脈のアブレーション治療は米国で始まりましたが、何故か後追いの日本で心房細動のような、危険がそう高くない非致死性不整脈にも保険適応されるようになったのは確かに不思議です。もちろん、米国でも、標準ではないとは言え、やられてはいるようですけれど。
非致死性とはいえ、心拍コントロール治療だけでは運動も思うように出来ない生活を強いられるわけで、一時的にでも完治できればそれに越したことはないと思うのが人情というもの。
ましてこれから高齢化するに従い、脳梗塞などの危険性は高まるばかりなので、予防的観点からもこういう処置はアリかなぁ、と考えています。医療経済的観点からは、多少問題があるかも知れませんが。
7 月 31st, 2008 at 3:44 PM
わたしの同僚も、春先に手術しました。部分麻酔で、手術中熱く感じたとか、心臓がうまく動くようになったかどうか脈拍を120くらいまであげられて確認されたとか、意識があるせいでかえって怖かったと言っていました。
しかし、治療でものすごく体調が良くなったと喜んでいます。やればやっただけの成果があるようですね。