この映像を「聞く」ことが出来ますか?
世の中には「共感覚」というものを持っている人が存在する。これはある感覚的刺激に対して、それに対する通常感覚だけではなく、直接には関連のない感覚が生じることをいう。
例えば、音刺激に対して何らかの色を感じたり、視覚的形態を感じるというような現象である。これは比喩的に使われるようなものではなく(例えば、暑苦しい声とか、痛々しい光景とか)、クリオネクオリアを伴う具体的な知覚であるのが特徴であるという。
ある音階を色として知覚する共感覚の持ち主は、一般的色彩知覚とは厳密には違うかも知れないが、同一刺激があれば同じ具体的な体験を反復する。
私も仕事柄、共感覚を持っていると主張する人と接した事もあるが、なにせ話で聞いて想像するしかないので、その体験を了解するのはなかなか難しい。一応、疾患では無いとされているが、この感覚の持ち主が不安や抑うつにとらわれると、その症状が文字通り多彩になって、より深刻なものとして体験される場合もあるようだ。
もっとも普通の場合は、豊富な知覚体験の源泉としてむしろ好ましいものとして受け取られているようで、そのせいなのか、私が見たことのある数人の共感覚者は揃ってアート系の仕事をしている人たちだった。確かに、数字を音階として感じる能力は音楽家だったら好都合だろう。3の倍数でアホになるより、かなりマシ。
この共感覚というのは、理屈からはあらゆる知覚の組み合わせの形をとりうるが、動くものを見ることで聴覚が生じるケースは全く報告されてこなかったのだという。実際の環境では、物の動きは何らかの音を発していることが多いので、体験していても気づかれないらしい。
Caltech(カリフォルニア工科大学)で神経科学を専攻するメリッサ・サエンス研究者がこの現象を発見したのは、全くの偶然だった。彼女がたまたま「スター・ウォーズ」オープニング風映像をモニターに映していると、見学に来た学生の1人から音が聞こえると告げられた。<Caltechプレスリリース>
彼女はそれが共感覚である事に気付き、その映像を視覚→聴覚共感覚のスクリーニングにつかい、1%程の人がこの映像をみると、ある種の「雑音」を聞き取ることを発見した(共感覚の出現率は、バリエーションを一緒くたにして1/20から1/10万と、かなり報告にばらつきがある)。その上で、大脳の視覚皮質上にある運動判定プロセスを受け持つ部位は、非共感覚者であっても、今まで考えられていた以上に聴覚域と相互結合している事が確認された。
そんなわけで、出現率100分の1の共感覚を持っているかどうか、是非上の映像で確かめて頂きたい。私はかなり長い間眺めたものの、下水が詰まった時のゴボゴボゴボというのをイメージした程度。<Via>



8 月 12th, 2008 at 11:09 PM
「ソソソ」「(粒の流れが変わってから)ミミ」ってきこえ(想像した?)ました。
APであるのと、音が聞こえるって書いてあったことへの思い込みもあると思いますけど、、。
9 月 12th, 2008 at 9:58 PM
ドラえもん映画アニマルプラネットでピンクのモヤに入る時のBGMが脳内で流れました。
思い込みというか、映像の動きと記憶した音のタイミングが合ったせいかもしれませんが。