病院へ行こう:入院処置編その1
入院予約時間は午後二時だったので、外来エリアは閑散としていて、誰もいない瀟洒なロビーでしばらく待たされていると、やがて受付嬢が現れ、静やかに「お部屋に案内いたします」と告げ、先導してくれる。荷物までは持ってくれないところが、ホテルとは違う。
海に面した病室からはかすかに富士山の輪郭が望めて、勿体なくもやんごとなき御一家の御用邸を見下ろすこともできる。しばしの間、リッチな気分に浸った後、リッチさとは無縁の病衣に着替え、ID腕輪を付けられて術前の検査をいくつか受けていると、水平線に見事な夕日が沈む時刻となる。
明日の処置説明まで何もすることはないが、バーやレストランもなければネット接続環境もないので、波の音を聞きながら、ただただボンヤリと時間の過ぎるのをまつ。
処置内容の説明では、ホットバルーン治療の歴史からはじまって、その成績とリスクをかなり詳しく聞くことができた。原型は米国で考えられたのだが、実験結果が今ひとつであったのを、主治医が改良して実用に耐えるものにした、その術式は今も日々改良と工夫が加えられている、などなど。
今までは左心房の肺静脈流入部分だけを焼灼していたが、「ここ2例は」右心房の一部にも焼灼を加えるようにして治癒率が更に大きく改善されたので、その方式を加えるかもしれないとも。
と言うことは、私が3例目、というわけ?うーん、こりゃ主治医が学会発表でもするときには、演壇の隣でタップダンスでも踊って回復アピールすることになりそうだ。まあ、自分でもかなり長い間考えた末、この治療を受けることにしたのだから、向こうが最善と信じる治療をうけるのにやぶさかではない。
夜、看護婦さんに剃毛の説明をうけ(さすがに剃毛してもらうのは遠慮した)、術中にはくストリッパー用バタフライみたいなディスポのパンツを渡されても、そちらではそう落ち込まずに済んだのが幸い。
翌朝は絶食で点滴ラインをとり、8時過ぎにはカテーテル室に入る。例のバタフライ風下着以外は剥ぎ取られ、包布に包まれると麻酔導入である。急速に薄れる意識の下、こんな情けないパンツ姿で死んでなるものか、という決意だけは保たれたような気がした。



10月 27th, 2008 at 10:42 AM
ご生還、お待ちしていました。v(^^)v
経過状況、この後も楽しみにしています。
10月 28th, 2008 at 12:17 PM
その2も合わせて、詩人ですね。
2例で治癒率どうこう言われるのはなんか怖いなあ。
10月 31st, 2008 at 6:02 PM
その後の記事、拝読しました。かなり不謹慎なコメントを残してしまったと、反省しています。
奥様のご冥福をお祈りいたします。
先生、ご自愛ください。