病院へ行こう:入院処置編その1
入院予約時間は午後二時だったので、外来エリアは閑散としていて、誰もいない瀟洒なロビーでしばらく待たされていると、やがて受付嬢が現れ、静やかに「お部屋に案内いたします」と告げ、先導してくれる。荷物までは持ってくれないところが、ホテルとは違う。
海に面した病室からはかすかに富士山の輪郭が望めて、勿体なくもやんごとなき御一家の御用邸を見下ろすこともできる。しばしの間、リッチな気分に浸った後、リッチさとは無縁の病衣に着替え、ID腕輪を付けられて術前の検査をいくつか受けていると、水平線に見事な夕日が沈む時刻となる。
明日の処置説明まで何もすることはないが、バーやレストランもなければネット接続環境もないので、波の音を聞きながら、ただただボンヤリと時間の過ぎるのをまつ。


