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日別アーカイブ: 2008年10月29日


病院へ行こう:番外編その1

9月の終わり、職場に辿り着き、さてこれからまた仕事かと小さなため息が出たとき、娘から電話が入った。たった今、妻の容態が急変した、意識水準が低下し、心室頻拍を起こしていると。

看護婦さんに後を頼み、急いで妻が入院している病院に向かう。いよいよ来るものが来たかという思いと、大手を振って仕事を休める安堵感が混じりあい、なんだか雲の上をふわふわ歩いているような、妙な気分である。

あまり接続のよくない電車を乗り継ぎ、妻の病室に着いたのは連絡を受けて二時間近くたったころであったが、状態は変わっていなかった。呼びかけにも反応はなく、枕元におかれたモニターは振幅の深いサインカーブを呈していて、120から150あたりの心拍数を行き来していた。

「もう対光もないよ」、付き添っていた長女が言う。こちらも何か言ったほうがよかろうと、「リドカインは使っているのかな?」と見当はずれな質問をする。「使ったらそれっきりだろうから、何もしないよ」と、極めて理性的に答えられ、後は黙り込むしかない。

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