病院へ行こう:番外編その2
この抗がん剤で治療していた五年間ほどの間、主治医の側にも色々あったらしい。この人はもともと、「患者よ、がんと闘うな」という著書で有名なK医師の盟友で、K医師が診ている患者の外科治療面をサポートしていた。妻がこの病院で治療を受けるようになったのも、K医師から紹介されたのが理由である。
K医師は日本のがん治療の現状をかなり鋭く批判していて、その意見には妥当だと思える点も多い。しかし、ある意味、K医師は徹底した原理主義なのである。それは抗がん剤の評価に最も典型的に現れる。
要は、K医師は抗がん剤治療がほとんど患者にメリットを与えず、単なるアリバイとして投与されていて、副作用をまき散らしているだけだという、それなりに正しい面もある批判を展開していた。運悪く再発したなら、無意味な抗がん剤治療でQOLを下げるのではなく、残された時間を有意義に使うことに専念すべきだというのだ。


