こんなものを買った;現代仏壇
妻の葬儀以来、部屋の片隅の棚に葬儀屋さんが作ってくれた大判写真をおき、花なんかを飾ってきたが、どうももう一つ収まりが悪い。
遺骨は海に撒いてしまったし、位牌もないけれど、何かモニュメンタルな空間となるものを用意したほうがいいような気がして、現代仏壇なるものを購入した。
普通の部屋においてあってもそう違和感のない、ちょっと洒落た(と言えるかどうかは微妙だが)飾り棚に見えるようなキャビネットである。
ネットで色々調べたが、この手のものはほぼ一社独占供給のようだ。その会社のギャラリーが近くにあったので、見学に出かけて即決する。サイズの割には結構な価格であるが、ここでケチっても仕方あるまいと腹を決めた。
先日納入され、セッティングの運びとなったが、当面入れておくものがない。大判写真の元になったスナップでも飾ろうかと思ったら、どこに仕舞ったのか不明。仕方なく、知人の日本画家が書いてくれた(と言っても、絵を描いた葉書をくれたのだが)、皮をむいたリンゴの絵を飾る。
その画家によれば、故人はリンゴを剥くのがとても上手だったので、思い出の象徴にしたのだと。差し当たって飾っておくのにも、適当な物件であるように思われた。
そんなわけで、リンゴの絵に手を合わせ、セットでついてきた「お鈴」を鳴らすという、いささか妙な供養の図となった。何であれ、こんな風に定式化することで、喪の作業が一段階進むのだろう。結構な出費の痛みで喪失感が緩和される、というのが大きいような気もするけれど。


