筋弛緩剤ようやく薬名変更
「類似した名称の別の薬と取り違えるミスで死亡事故も起きていた筋弛緩(しかん)剤『サクシン』(製造販売・アステラス製薬)の商品名が変更されることになった。取り違えやすい類似名称の薬はほかにも多数報告されているが、厚生労働省によると、ミス防止のため、すでに販売されている薬の商標を変更するのは異例という。
サクシンは麻酔時に使われる筋弛緩剤で、呼吸停止を起こしやすく、毒薬に指定されている。1955年の販売開始以来、半世紀以上にわたり使われてきた。名称の似た抗炎症剤『サクシゾン」(同・興和)の販売が71年に始まると、医療現場で取り違えが発生し、問題視されていた。
昨年11月、徳島県鳴門市の健康保険鳴門病院で、サクシゾンと間違えてサクシンを点滴された男性患者が死亡する事故が発覚。厚労省が誤投与防止を全国に通知し、メーカーも医療機関に注意喚起した。しかし、『ミス防止策として不十分』との指摘もあり、より危険度の高いサクシンの商品名を変更するため、アステラス製薬は『スキサメトニウム』と改めて国に申請し、今月承認された。」(讀賣新聞Web版7月25日記事より)
やっと変更されたんですねぇ。先に出していたサクシンのほうが薬名変更するとは、さすがに大会社の余裕といえますか。間違うほうが悪いとばかりに、何人もが死んでからやっと腰を上げたのはちょっといただけないが。興和はちょっとセコすぎ。ハイドロコーチゾン・コーワでいいじゃないか。カエルのマークでもつけときゃ、誰も間違わなんだのに。
サクシン自体はあまり使われなくなっている薬であるが、例えば私らの領域でECT治療をするときなどは、その短時間作用のゆえに手放せない。マスキュラックスなんか使うと、治療自体は終わっているのに、呼吸が回復して来るまで、長時間付き合わされるので非能率的で困る。
今度の名前は成分名そのまんまで「スキサメトニウム」というのがちょっと難。長年サクシンで覚えているので、こんな名前が出てくるのにはワンクッションが必要。そんなわけで、この薬を使う状況で記銘喚起目的歌謡として、上の曲を使うことを提起する、というのがこのエントリーのオチ。



7月 26th, 2009 at 12:14 PM
多分、
「お前のすべて~♪」
まで歌ってしまうと思います。
7月 28th, 2009 at 3:29 PM
叫びながら、耳を押さえるんですよね。
8月 5th, 2009 at 12:41 AM
わたしがまえいた病院では、アマリールとアルマールの取り違えがあって危険だから、「アマリールを採用中止したい」と「薬剤部」から話があったことがありましたよ。長期的な死亡率を考えるとそのほうが患者さんがたくさん死にそうですけど。
(わかりにくいですかね・・・アマリールは糖尿病では今のところ王・長嶋みたいな薬で、いっぽうアルマールは循環器や血圧の領域で中畑みたいな薬、能力的に代わりはいくらでもいるけど好きな先生も多いのかもね、というイメージで)
8月 6th, 2009 at 7:58 AM
アルマールはアルマトールとも間違われやすいですよね。アマリールは確かに王・長島なんだが、ボンズかもしれないという警戒心があるのかもしれませんな。
昔書いたが、ロコルナールとロヒプノールを間違われた事があって、えらくへこみました。患者さんも、脱力で転びまくって、青あざだらけ。確かに「ロ」ではじまって、「-ル」で終わり、字数も一緒なんだが。
8月 8th, 2009 at 11:56 PM
ロカルトロールとも間違えそうですね(字数が違いますか)。大変なことに気づきました。ステロイドによる骨粗鬆症の予防において、ワンアルファ/アルファロールはロカルトロールに勝ることが示されています(Ringe DJ et al. Rheumatol Int. 2004;24:63.)。議論もあった研究ですが、もしかすると一部のロカルトロールは無作為割り付け後にロコルナールやロヒプノールに間違われたために骨折リスクの減少を示さず、全体としてアルファカルシドールに負けたのではないでしょうか。とはいえ、一定の確率でロカルトロールは間違えられるとするなら、ITTの観点からは妥当な解析かも知れません。
すいません。田舎に帰ります。