相羽奈美の犬
普段は漫画を読んだりすることはまず無いが、何故か気になって新刊がでると買っているのが松田洋子である。
何というか、ネガティブな側面だけから人間をとらえているのに、同時にそれを全肯定的に受け入れているような独自の立ち位置が気に入っているのである。私の仕事上の作業目線と同じだからかな。
家族が崩壊し、先の無い引きこもり生活のかたわら、理想の女性だと信じた女子高生のストーカーをしている少年が、車にはねられ死ぬ。死の瞬間、「犬になって彼女を正面から見つめたい」と念じたところ、現れたのが犬の霊みたいな存在で、少年はめでたく彼女=相羽奈美の犬として再生する。
一緒に暮らし始めると、奈美もまた崩壊家族の一員で、さまざまないじめや虐待に近い環境で暮らしていることを知る。オンと名づけられた元少年は、彼女を守るために常に寄り添い、彼女や自分の敵たちをその超常的な力(噛み付くと相手も無力な犬になる)で、その煩悩とともにこの世から消していくのである。


