病院機能評価
職場で「病院機能評価」なるものが進行中で、普段の仕事など放り出しての大忙しである。業界人ならご存知だろうが、この「病院機能評価」は現場の医療従事者には悪評フンプンなのだが、経営者や管理的立場にある部分からは、それこそ神の恩寵のごとく崇められ、魂を売ってでも得たがるものである。そう商売につながるとも思えんのだけどね。
それを行う日本医療機能評価機構というのは、私に言わせれば何のことはない、古手の医療関係者たちの天下り組織みたいなもので、やっている事は要するに「タカリ」行為とも言える。医療と言うものは治療者と患者の二者関係が何より基本なので、マニュアルがあるのないの、壁に病院理念を書いたものが張ってあるのないのといった、しょうもないことにイチャモンつけられたって、シンボリックな意味しかないのである。
かなりの大金を出して、そうしたイチャモンを受け入れ、評価認定して貰いたがる理由が分からない。もっとも、こういう無意味なレッテルを張って貰って喜ぶのは、医療業界に限らず、ここ最近の社会趨勢と言うものなのかもしれない。格付け機関が根拠のない高評価を出していた企業のインチキ商売がバレ、不況が来たってのはつい最近の米国の話。あれとどこが違うのかねぇ。
まあ、宮仕えの悲しさ、経営者の覚えをわざわざ悪くする事もないので、事なかれではありつつ、ウソにならぬ程度の粉飾を施した現状報告を用意して、サーベイヤーの方々との面接にのぞんだわけ。何より疲れたのは、いつものヨレヨレ作業服ではさすがにまずかろうと、ワイシャツにネクタイなんか締めて行ったこと。首がきついのが気になり、三回ほど過呼吸発作を起こしかけたぞ。
機能評価なるものが、せめてミシュランみたいに匿名調査員によるものなら、まだ受け入れられるような気もする。誰もが調査員の可能性があると思うと、職員の対応も自ずから丁寧なものになるだろう。口コミと言うのはあまり客観性がないが、専門知識もある人が利用者の目線で医療技術から接遇も含めて総合評価するなら、かなりの意味を持ちそう。
ただし、どんな診療科に受診しても、ちゃんと一貫した症状を訴えられる調査員を調達しないといけないが、これが少し問題。出来れば心電図所見やら血液所見を、自在に操るぐらいの能力が欲しいところ。General Physicianならぬ、General Patientという新しい医療資格が生まれるかも。
そういう調査委員たちによって、星三つとか星なしとか評価されれ、皆がその情報に触れられれば、少なくともサービス業としての医療機関の質は、飛躍的向上が得られることでありましょう。



1月 21st, 2010 at 10:31 PM
クチコミのネガティブフィードバックをしている医療系サイトがきちんと機能すればいいのですが。非営利で評価する組織が欲しいですね。もっとも非営利でサービス業と為す、という仕組みは日本では難しそうです。
1月 21st, 2010 at 11:38 PM
で、並の覆面調査委員は、正しく心因性と判断されて、Webmaster様のところに回されてくるわけですね。
気が抜けませんねw
1月 22nd, 2010 at 8:02 AM
確かに60万ドルもぼったくった挙げ句、PoorなStandardやMoodyな評価を売り物にする格付け機関のおかげで経営者も小物になりました。年初のCEO挨拶はどの会社でも「今年の予算も中長期計画も達成できなかったら株主から訴えられるので、絶対外部に漏れないようによろしく。」でマスコミには「顧客に尽くし、売上を継続して伸ばし、利益を最大化し」と針飛びするレコードのように繰り返すだけ。社長の使命とは「今後はこれを達成する為に、今までやって来たこれを犠牲にするから全員徹底しろ。」と社員をリードする事かと思うのですが。会社も最近ではお役所と変わらなくなりました。
1月 23rd, 2010 at 8:47 AM
今だとバージョンなんぼになるのでしょうかね。
確かにあれを受けたから、患者さんが増えたなんて事もないですし、そもそもそういうのがあるという事も認知されていない気がするのですが・・・。
1月 23rd, 2010 at 7:36 PM
いっその事、開業の代わりに格付け業を始められては如何でしょうか? 天下りでない民間格付け業って、結構マスコミが取り上げてくれて引きがあるのではないかと思うのですが。
投資銀行が幻を売る商売なら、格付け会社って、その上前をはねるヤクザですからねえ。