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Archive for the ‘医学・科学一般’


ラミクタールはすごい薬だ

今日の日付の「Kyupinの日記」に、解離性障害患者の治療経過が書いてあり、その中で「全く、ラミクタールは凄い薬だよ」と記されてあった。ほんと、ラミクタールはすごい薬で、今まで仕方なしに放置するしかなかった状態をかなり解決してくれると私も思う。

私はkyupin先生とは微妙に薬の使い方が違うのだが、この点ではまったく同意見である。滅多に製薬会社のMRさん(まあ、セールスマンみたいなものだと思ってください)と話すことのない私も、ことラミクタールに関しては、「これほど効く薬は見たこと無いよ」とおベンチャラを言ったことがあるほどで。

いわゆる双極性感情障害、昔の言い方なら躁うつ病であるが、その感情不安定性には抗うつ剤そのものが関与していると言うEBM認識が広まったのはここ最近のことだ。しかし、リチウム製剤やデパケン、エクセグラン、テグレトールという抗てんかん薬系の感情安定化薬の使用が一般化した後も、抗うつ剤併用は当然のこととして今も使われる場合が多い。

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虫がいなくなる薬

もっぱら脳血管障害の中期-長期リハビリを担当している病棟から、コンサルト依頼がある。脳梗塞リハビリ目的で入院している70代の女性がおかしな事をいう、なんとかならんかという内容。

他の科の依頼では、そちらの病棟に移せないかというニュアンスが強いのだが、ここのリハビリ病棟の場合は結構精神症状に寛大なので、安心して様子を見に行ける。

実際のところは、私が担当している精神科病棟よりも、何かといえば転科を依頼してくる脳血管障害の急性期病棟や整形外科患者がいる病棟の方がよっぽど落ち着かない患者が多いのだ。

まとまらない目先の要求に固執して、同じことを繰り返して叫んでいる老人患者が山ほどいるが、私から見れば軽度のせん妄で、何で薬物対応しないのだろうかと思ってしまう。勿論、自分から仕事を増やすようなことはしませんが。

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薬の名前が出てこない

ここ2~3年のことであるが、薬を処方しようとしてその名前が出てこず、しばし立ち往生という事態に何度も陥るようになった。病棟の診察室にはネットにつながるPCが電子カルテ用PCの隣においてあるので、いざとなれば検索可能であるが、それにしたってかなりザマは悪い。

一番困るのは外来である。これはあちこち場所が変わるものの、一番良く使う場所からは個人的に設営した無線LANにアクセス出来るようにしてあり、ラップトップさえ持ち歩けば検索は可能である。ところがいつも持ち歩けないし、無線が届かないブースで診察を迫られることがあり、そういう場合は万事休すである。

そんな場合でもネットにアクセス出来るようにと、Google携帯を買ったのだが、あれでは小さすぎて私の太い指ではうまく検索ワードが入力出来ない。やれないことはないが、やたらに時間がかかる。今度出るアップルのiPadにはすこし期待しているのだが、業務のために自腹を切るのは私の哲学(そんな大層なものではない)に少々反する。

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非国民症候群2

非国民症候群とまとめた例の二例目。初診は1982年、64歳の本人に、その妻、福祉事務所職員が同行してきた。受診は本人の意図と言うより、生活保護を継続するためのチェックといわれて、半ば無理やり福祉事務所職員に連れられてのものだった。

主訴は「周囲の騒音による不眠」。彼と妻は福祉事務所の援助で町外れに建てられた掘っ立て小屋のようなところで暮らしていたが(以前、町営住宅にいた時に近隣とのトラブルが絶えず、苦肉の策として町営地の一角にささやかなスラムを作ったそうだ)、その目と鼻の先に生コンプラントがあり、出入するミキサーカーがうるさいと、何度もそこの事務所や役所に抗議を繰り返していたのである。

役場はその騒音は法定内のものであると説得したが本人は納得せず、次第にその抗議は執拗さを増し、棍棒をもって殴り込むという暴力的なものとなったため職員に伴われての受診となった。それは明らかな違法行為なのだから、刑事事件にすればいいではないかと私は思ったのだが、長年の「世間」の論理がそれを避けたようである。

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非国民症候群

もう30年近く前の事になるだろうか、当時私はある関西片田舎地方の自治体病院で働いていた。そのころ、ある共通項でくくることが出来そうな一群の人々を見ていて、地方学会あたりで発表しようかどうかと考えていた症例群があったのを思い出した。

数例あった筈なのだが、いま思い出せるのは2例程度だ。草稿は書いたがなんとなく発表がためらわれ、どこかに行ってしまった。時代的な制約もあり、おそらくこのようなまとめ方が出来る人々を見ることはもうないだろう。そのまとめ方にもかなりの異論があって不思議ではないが、当時そのような理解の仕方をしていたことは確かに意味があったと思うのだ。

そもそも、上に掲げた「非国民症候群」というのを読んだだけで、平和と民主主義の時代に、なんというふざけた保守反動イデオロギーを持ってくるのだと、非難されても仕方がない。しかし、言いたいことは、間違った方向に進んでいた時代に、そこからの「逃げ」を意図的に行った人々が、結局後に自己不全の人生を送るしかなかったという例なのである。

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未だアスペルガー・ADHDを知らず

スミルノフ先生のブログでこういう記事が紹介されていたので読み、今でもこうした「社会が障害を規定する」というような考え方が生きているんだなぁと感心する。スミルノフ先生の論調は、それに対する「はてブ」コメントに、フーコーやら中井久夫についての言及がやたらに多い事への感想に移るのだが、全くその思いには同意するしかない。

ホント、疾患の社会性なんてテーマで中井やフーコーを出してくるってどんな連中なんだよ。お前らみんな人文社会系の研究者か、と言いたくなる。私も短い間医学部学生を教えていたことがあるが、そこそこの偏差値が要求される筈の医学生に、社会歴史関係の結構有名な学者の名前やその学説を紹介しても、当惑以外の反応が返ってきたことはない。

しょうがないので、症例として漱石なんかを出すがそれもダメ。大衆文学なら良かろうかと、大量殺人の関連で、横溝正史の「八つ墓村」を例に出してもきょとんとしている。連中には国家試験の問題集を覚えこむ以外の関心はないのである。当然、それが卒業後も続くわけで、医師一般の「教養」というものの平均値は、かなり低いと思ってまず間違いない。

もっともそれがまずいことかと言うとそうでもない訳で、臨床をちゃんとこなして行く上では、つまらん人文社会系耳学問なんぞはかえって邪魔になる事の方が多いと言えるかもしれない。ましてや、フーコーや中井久夫の場合、少なくとも精神医学分野においては、人間理解の一助となるよりは、素人系の勘違いを触発する危険の方が高いと思われる。

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有名人の知り合いを装うのはやめたほうがいい

他者に自分を印象づけようとして、有名人とのつながりを強調すると言うのはよく行われる戦術の一つである。著名な人との密接な関係を主張することで、その人の本来の能力や魅力以上のものが相手に伝わるに違いないと人は期待するのだが、果たしてこれは効果的な戦術なのであろうか。

チューリッヒ大学の心理学研究者によると、この「有名人と知り合い」戦術(英語では”name-dropping”と言うそうな)は無効であるばかりでなく、その人本来の好印象の可能性をも損なう悪手であるという。

研究者たちは被験者となる学生たちをランダムに二群にわけ、それぞれに違うバージョンのメールを送った。一つはメールの送り手がテニス選手のロジャー・フェデラーの熱心なファンであると自己紹介するもの。もう一つは自分はフェデラーの親しい友人であると言うものである。それぞれのメールを受け取った被験者たちとの面接の後、その際の第一印象を聞き取り調査し、結果が分析された。

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