非国民症候群
もう30年近く前の事になるだろうか、当時私はある関西片田舎地方の自治体病院で働いていた。そのころ、ある共通項でくくることが出来そうな一群の人々を見ていて、地方学会あたりで発表しようかどうかと考えていた症例群があったのを思い出した。
数例あった筈なのだが、いま思い出せるのは2例程度だ。草稿は書いたがなんとなく発表がためらわれ、どこかに行ってしまった。時代的な制約もあり、おそらくこのようなまとめ方が出来る人々を見ることはもうないだろう。そのまとめ方にもかなりの異論があって不思議ではないが、当時そのような理解の仕方をしていたことは確かに意味があったと思うのだ。
そもそも、上に掲げた「非国民症候群」というのを読んだだけで、平和と民主主義の時代に、なんというふざけた保守反動イデオロギーを持ってくるのだと、非難されても仕方がない。しかし、言いたいことは、間違った方向に進んでいた時代に、そこからの「逃げ」を意図的に行った人々が、結局後に自己不全の人生を送るしかなかったという例なのである。
他者に自分を印象づけようとして、有名人とのつながりを強調すると言うのはよく行われる戦術の一つである。著名な人との密接な関係を主張することで、その人の本来の能力や魅力以上のものが相手に伝わるに違いないと人は期待するのだが、果たしてこれは効果的な戦術なのであろうか。


