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ちょっと前に、米国の医学ポータルサイト"Medscape"について書いたことがある。インターネットというものを利用し始めてからずっと、私はこのサイトの熱心な利用者だった。何しろ、自分の専門領域を登録しておけば、ほぼすべての分野を網羅した関連医学雑誌の要約とレビューを探してきてくれるし、ここ独自の解説論文や検索サービスなどがいくらでも、それも無料で利用出来るのである。
日本語論文だけは読めないが、この国ではどうせ2年遅れで向こうの二番煎じが出るぐらいなので、まず関係ない。それに、私がどうしても日本語で本当に読みたいものは、古典的な精神病理学関係の論文なので、これに関しては新しいもので価値があるものが出ることはまずない。もう完全に枯れてしまっているジャンルなもので。
それが一年ちょっと前からおかしなことになって、このサイトが利用できなくなってしまっていた。今はどうか知らないけれど、Medscapeを利用し始めるときには結構苦労したのである。医師免許の写しをアメリカにファックスしたりして、専門家であることを証明したりした。そこまでして登録したのに、某日本企業が自分で中途半端な医学ポータルサイトを立ち上げ、そのサービスの一環にこのMedscapeを組み入れたのである。
今までどおり利用しようとすると、日本からの接続はその何とかという日本のポータルを通せといって、接続拒否されるようになった。しかたなくその医学ポータルに登録しようとすると、お宅の病院に出入りしているMRに利用IDとパスワードをもらえというのである。普段MRさんとは口をきくこともないので、えらく苦労して接続できるようにしたのだが、昔のような利用法は出来なくなってしまった。
以前は個人としてアクセスできていたのが、この日本ポータル経由だと、「日本からのお客様一般」としてみなされるだけとなり、専門領域向けのきめ細かいコンテンツ選択など全くなくなってしまっていたのである。これでは利用価値は半減である。どうせレビューが中心なので、元記事さえ根性入れて検索すればいいのだから、自分の専門も特定できないようなサービス使っても意味がないのに。
2週間ほど前、検索でMedscapeの記事が出てきたので、どうせ日本サイトに飛ばされるんだろうなとアクセスしてみたところ、そうならなくなっていた。トップページもちゃんと表示され、私が昔使っていたIDとパスワードもちゃんと通るのである。どうも例の日本の医学ポータルは、ここに小判鮫するのをあきらめたらしい。確認するためにアクセスするだけで、自分にもアホがうつりそうなので、調べてみる気もしないのだが。
というわけで、ちょっと使い勝手が違うところもあるが、セコイ日本企業の目論見もついえて、昔のように便利なMedscapeの復活である。目先の利益に吊られたのかどうか知らないが、開設直後からのお得意さんに一年以上不便をしいたのはちょっと許せない気もするのだが、またタダで使えるのだから文句なしである。
それにしてもS●NYさん、ちょっとしゃれた先進企業なんてポーズをとっているが、こと専門的ウェブビジネスに関しては、あんたらのセンスも、運営姿勢も最低だ。私にはあんたたちのグループが凋落していくザマが、はっきり予見できましたね。
投稿者 webmaster : 2003年08月11日 21:28