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使えるようになったMedscapeからの、早速の引用。登録者以外にはリンクしても意味がないので、こちらの記事をリンク。
この8月に発行されたばかりの"Neurology"誌に掲載された論文によれば、パーキンソン病治療に使われるドーパミン受容体刺激薬の一部に、患者に病的賭博行動を引き起こす副作用があるとのこと。この論文では、L-ドーパ製剤にプラミペキソール(日本では未認可)というドーパミン受容体刺激薬を併用した9例のパーキンソン病患者のうち、2例に深刻な病的賭博行動が見られるようになり、それぞれ6万ドル以上の経済的損失を喰らったのだという。
統計的には、普通の人の間で、病的賭博行動が見られる確率は0.05%なのだそうで、ドーパミン受容体刺激薬を投与されている場合、それが1.5%から0.3%という率に高まるとのこと。パーキンソンで思うように身動きできなかった人が、そこそこ動けるようになって、喜び勇んでカジノに出かけただけではないのかな、なんて思ったりするのだが、博打でスったのは薬のせいだなんて訴訟がホントにおこるこの昨今、「学問的」考察はしておかないとまずいらしい。
日本で使えるドーパミン受容体刺激薬はいまの所3種類しかなく、その中では比較的最近出たペルゴシドという薬にだけこの「副作用」が報告されているらしい。一番多いのは日本で認可出願中のプラミペキソールとのこと。論文の著者は、薬の種別というよりは、ドーパミン受容体刺激薬という薬剤クラスの問題だろうと考えているようだ。
田舎の病院にいると、私らも神経内科医の役割をさせられることが多く、パーキンソン病の場合は抑うつとか、せん妄などの精神症状を併発することもまれではないため、結構パーキンソンの症例は見ている(多分普通の神経内科医以上に)のだが、今まで自分の患者で病的賭博に陥ったような例はありませんなぁ。私はL-ドーパの副作用でひどい目にあった人を多く見てきたので、ここでいわれるドーパミン受容体刺激薬をメインに使うことが多いのだけれども。
でも、うまく回復チャンスを失って、大量の抗うつ剤を飲みつつ遷延してしまったうつ病の人なんかで、何も出来ないがパチンコ屋には行く、というようなふてくされ系引っ掛かりケースに遭遇することはよくあり、たぶん多少の関連はあるのでしょうな。抗うつ剤もある意味、ドーパミン作動薬ではあるわけで。
ドストエフスキーが深遠に描いたような破滅的賭博者の行動も、要はドーパミン関連の物質の問題なんだ、といわれているようでもう一つ面白くはないのだが、真面目に観察していかないといけない問題ではありましょう。
投稿者 webmaster : 2003年08月13日 22:17