上野のジャズクラブへ、ライブを聴きにいくという、私には似合わない粋なアーバンナイトを過ごす。私には、どこでもじっくり落ち着いて座っていられないという性癖があって、こういうイベントはとにかく苦手で、映画やコンサート、観劇、学会はもちろん、散髪だって10分で済ませてくれる千円床屋でないとダメなのである。
今回はライブの主人公である女性シンガーが友人の友人という、FOAFつながりなので、話のネタにもなるかと参加。かしこまって聴かねばならないホールと違って、演奏さなかでも酒飲んでいればいいという、一種の薬物療法が許されるので何とかなるだろうと思ったわけ。ついでだから、ライブの前に近くのコリアンタウンによって、大量の焼肉とビールという前投薬を済ませておく。
ピアノとベース、ドラムスのトリオに、ボーカルという取り合わせで、バックのほうは結構有名な人たちらしいが、肝心のFOAFシンガーのほうはセミプロというか、アマチュアに毛が5本ほど生えたというところか。それでも、妙なタメとかヒネリのない素直な唱法がむしろこのましく、そこそこ楽しめた夕べでありました。機会があればまた来ようかな、と思うには充分。
帰り道、"You'd be so nice to come home to."を女性が歌うときには、どういう思い入れをイメージするんだろうな、などと考える。演歌だったら、きっちゃないオッサンが、女性の視点で「女の操」について歌ったりするのが当然なんだが、向こうの歌はあくまで歌い手の主体性が主張されるものだ。言葉のつくりも違うのだし。"And I love her"を女性が歌えば、"And I love him"になるわけで。
女性が、「ウィー寒い寒い」なんていいながら夜遅く帰ってきて、それを暖炉のそばで待っている旦那が出迎えるという状況は、なかなか歌にならんのではないか、なんて余計なことを考えてしまうのだった。
投稿者 webmaster : 2003年10月04日 23:42