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2003年11月17日  12進法の効用 [日常, スポーツ]

わけの判らない題目で恐縮である。我々が日常生活で数字を扱うのは、もっぱらお金の計算に関することで、そこで使われるのは10進法であるのは周知の事実。コンピュータが2進法を使うといっても、それはハードと、プログラムレベルのことで、使う人間の側が入力し、結果を受けとるのは10進法に変換されたものだ。

ところが、時間ということになると、我々は12進法と60進法が入り混じった単位を使うわけで、これが昔から私の謎だった。古来の文明ではこちらを日常的な計数に使っていたところもあるようで、たとえばフランス語の数の数え方には、その名残をいまだに見ることが出來る。

数学的直感に優れた人には自明のことらしいのだが、量の割合とか比率を把握するには12進法の方が合理的なんだそうだ。私は全く数学的才能を持ち合わせぬので、この歳になるまで全然それを実感できなかったが、このたびやっとそれを体感したような気がするので、ちょっとここに書き出して見る次第。

スポーツクラブで、持久系のマシン、例えばエアロバイクを使っているとき、最初の時間設定を30分とか40分という10進法系にしておくと、「今どのぐらい運動をこなしたか」ということが判りにくいのである。30分にしておくと、初めの2分は当然として、5分と6分で割合感覚が手に入る。6分の1と5分の1だ。ところが、あとは10分と15分、20分過ぎたところでしか、割合感覚が簡単に手に入らないのだ。そりゃ12分や18分のところでも計算できないでもないが、ヒーヒーいってる時に、30分の18を約分なんかしてられますか。

これが36分という設定をしていると、2、3、4、6、9、12、16、18、24、30という節目で、こなした時間割合が簡単に計算でき、自分のバテ方などと勘案して、ペースを決めていきやすいのである。要は公約数が多い、ということなんだけど。もちろん、60分やれば10進法も12進法もないわけだが、そんなに追い込むと、ほかの運動する前に完全にばててしまう。

昔の文明で12進法が使われたのは、たぶん課税計算の必要性からなんだろうな。そのほうが比率を出しやすかったんだろう。60進法は12進法と10進法の統合ということなのか、などとささやかな発見に一人満足していたのであった。周知のことでも、自分で体得できるのはそうないもので。

ちなみに、エアロビックという言葉というか概念を作り出したケネス・クーパーは、最大酸素摂取量を概算するのに、12分間走というのを考え出したことでもしられる。これの影響なのか、向こうのエアロビ系トレーニングは12分間を1単位にするように設定されていることが多い。元ロッテの小宮山投手がどこかのスポーツ新聞で、大リーグのピッチャーのウォームアップは12分間、という内規があると不思議がっていた。

生理学的には、12分も運動続ければ、無酸素運動の要素が全くなくなるはず、という程度の理由であって、ましてトレーニングでこれを1単位にする根拠は薄いように思うのだが、これはやはりペース配分計算には、12進法の方が暗算しやすいという、古来から人間に刷り込まれてきた深遠な理由があるのだろう。

投稿者 webmaster : 2003年11月17日 18:05