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三日前に、「裸のシェフ」、ジェイミー・オリバーのニセ写真カレンダーのことを書いたのだけれど、考えてみれば、イギリスでも「シェフ」といえば、「料理のプロ」のことを意味するのが面白いというか、なかなか興味あることといえる。
日本語には板前さんとか、調理師さんという言葉があって、日本料理に従事する人はそちらで呼ばれる。シェフと呼ぶのは西洋料理というか、非和食料理ということになっているようだ。TVなんかでは、ガーナ料理とか、トルコ料理、はたまた中華料理の場合だってそう呼んでいることがある。
イギリスの場合も同じなのだろうか。典型的フランス料理でなくても、ジェイミーみたいなイタリア系の創作料理を作る人なら、そう呼ぶということなのか。イギリス伝統のローストビーフを作る人はなんと呼ばれるのか、ちょっと気になる。
そもそも、シェフ("Chef")というのは英語の"Chief"と同じで、「親方」とか「主任」という意味であるのは容易に類推でき、実際その通りである。料理長の「長」という部分だけが、料理人トップの意味に換喩的に拡張されているわけ。
であるから、本来は他の分野にだっていっぱいシェフはいるのである。土木工事のシェフ、スーパー売り場のシェフ、部品組み立てラインのシェフ、ソフト開発のシェフなんかが。前衛シャンソン歌手のブリジット・フォンテーヌには"Lettre a Monsieur le Chef de la Gare de la Tour de Carol"、「キャロル塔駅のシェフへの手紙」という歌があって、駅のシェフとはなんじゃいなと思えば、それは駅長さんなのである。
フランスに留学していた知り合いがいうには、向こうの病院では、日本なら医長と呼ばれる科別の主任はやはりシェフとよばれ、しかも臨床の達人という意味あいがつよく、管理者の院長などより、医療機関利用者の信頼を一身に集める存在なのだそうだ。レストランで、客が注目するのはまず料理人の腕であって、支配人の経営手腕ではないというのと、全く同じ構図である。
というわけで、シェフという言葉を料理人に独占させず、もっと広く使おうではないかというのが今回の主張である。私も明日からはシェフと呼んでもらうよう、職員に提案してみたい。え、「親方」にするって?
投稿者 webmaster : 2003年11月19日 21:14