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1936年の今日、ワシントンDCのジェームズ・ワシントン大学において、米国ではじめてロボトミー手術がおこなわれた。米国での創始者の名誉をになうのは、精神科医ウォルター・フリーマン博士である。彼は前年ポルトガルのエガス・モニスによって発表されたばかりのロボトミーを、神経外科医のジェームズ・ワットとともに実行にうつすべく研究をかさね、成功をおさめたのだった。彼は一見、この人にそっくりだが、別人なので御注意のほどを。
手術対象に選ばれたのは、激越性うつ病にかかっていた63歳の婦人であった。彼女は抑うつと強迫観念に悩まされていたが、この手術を受けたあと、「人生でもっとも幸福だった日々」を過ごしたという夫君の回想が残されている。
フリーマン博士はその後、モニスの術式(両側頭部に穴をあけ、ロボトームという長いメスで前頭葉を切るやり方)を改良し、眼窩からアイスピック様のメスを差し込む、経眼窩アプローチでこれを行うようになった。標準術式と併せて、彼は3500例以上の手術を行ったが、これは1930年台から50年台にかけて米国でやられた、すべてのロボトミーの一割近くにもあたる。
フリーマン博士は自分の手術をどんどんマスコミに売り込み、学会発表も一般受けをねらったセンセーショナルな表現を好んだ。この手術はある意味、時代の先端をいくポップな記号をになったこともあるといえる。
以前、ロボトミーを開発したエガス・モニスについて書いたことがあるが、モニスが「悪魔の手術」を創始したマッドサイエンティストみたいな扱いを受けているのに、この手術を普及させるのにもっとも活躍したフリーマンのことがあまり知られていないのはちょっと不思議である。日本でもロボトミーはかなり行われたが、経眼窩アプローチ法はあまりはやらず、クラシックスタイルが中心だったのも謎である。
フリーマン博士は72年に76歳で死んだ。その5年前、彼は手術中に患者の脳血管を誤って傷つけ死なせており、それ以後一切ロボトミーは行わなかった。その頃すでにロボトミーは批判勢力のほうが優勢であったが、ロボトミーで精神疾患を治癒させることが出来るという彼の信念は、最後まで揺らがなかったという。
投稿者 webmaster : 2004年09月14日 23:15
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ロボトミーは今は行われていないんですね。よかった。(ホッとする)
本で読んだお話では、確かに、攻撃性とかは静まるようですが、人間としての感情が全くなくなってしまうので、社会的には抹殺されたのとおんなじになってしまうとのことでした。つまり、人格が否定されてしまうのでしょうか。
おとなしい未のように毎日をうつらうつらと過ごす平和な日々が訪れるという事です。
それに、手術法が、荒っぽすぎますよね。
投稿者 みんみん : 2004年09月19日 22:29