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2004年10月15日  「虹色のトロツキー」 [本とか映画とかTVとか舞台とか]

何の間違いか、近所のひなびた本屋に、劇画「虹色のトロツキー」(安彦良和:中公文庫版全八巻)が置いてあったので、全巻まとめて買ってくる。10年ぐらい前に、どこかで一部分だけ読んで、あれはどうなったのだろうとずっと気になっていた。戦前、満州国建国のおり、一部の軍人がソ連から追放されて亡命生活を送っていたトロツキーを利用した謀略をくわだてていて、そのために日蒙混血の主人公が波乱万丈の歴史物語に巻き込まれるような内容であった。

これが少しずつ発表されていたころ、「架空戦記もの」という妙なジャンルの物語がはやり、それらが判で押したように、「いい日本軍部」が悪い米英やナチスをやっつけ、世界を和解統一していくというような内容だったのだが、たぶんその類の話なのだろうと思っていたのである。

トロツキーを題名にしながら、全然トロツキー自身が出てこず、多分後半からは登場するのだろう、それにしても満州にトロツキーを登場させてどんなプロットにするつもりなのだろう、もしかして日本と満州を世界革命の根拠地にして、皇軍=反帝反スタ世界赤軍が大暴れ、なんて話しになるのかいな、なんて想像していた。

そんなわけで、今日は仕事を大急ぎですませ、職場某所に隠遁して大読書(漫画ではそう言わないらしい。では、なんと言うのだろう。鑑賞?観劇画?)である。それで判明したことは、この劇画は90年初めにはやっていたような「架空戦記もの」とは何の関係もないということ。本物のトロツキーは結局登場せず、ただトロツキーに仮託されるさまざまな幻想が当時のエリート軍人、官僚、知識人を振り回して行く様が語られるだけで、それゆえに「虹色」と題されていたのであった。

そういう幻想とはほとんど無関係に進行していく歴史の流れの中で、全力をかけて信念を貫こうとする主人公の生き方は実に誠実なのだが、大体様子がわかったところで、訳の分からん謀略からはさっさと逃げ出しゃどうよ、と思ってしまうのがいい加減な読者としての感想。ノモンハン事件にまで付き合うことはないんじゃないかね。

こんなところに、あらすじと御自分の大物ぶりがちゃっかり記された文章があるので参考にされたい。買ってまで読むべき劇画であるかどうかという点はかなり微妙。あの歴史をオタク妄想の題材にするには重過ぎるらしい、というのは良く分かる物件。今回は偶然近所で買えたが、アマゾンでこういう全八巻というような本を注文するのにはかなりめんどうな手順が要るので、なにか改善を図った方がいいのではというのが、いちばん切実な感想。

投稿者 webmaster : 2004年10月15日 22:26

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コメント

後の「韃靼タイフーン」に見られるように、安彦氏は帝政ロシアに何らかの憧憬を抱いているか、これを自身のモチーフにされているように見受けられますね。
「紺碧の艦隊」は私も知人にまとめて借りましたが、一冊読んで
「なんだよこれは?」
でしたのでこれきり読んでいません。

一通り他愛も無い(というか幼稚臭い)代物が出尽くしたところでかわぐち氏の「ジパング」がヲタ、マニア含めて人気が高いようです。

投稿者 小狸工房 : 2004年10月16日 23:20

テレビで牧シンジさんが「ハワイは毎日夜でも虹が出ている」って、おっしゃっていました。
 あと、レインボーマンを観た事があります
(新宿で新聞配達をなさっています。)
ごめんなさい、、虹つながりでした。

投稿者 みんみん : 2004年10月16日 07:40