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朝から不整脈が出て調子がよくないので、今日は一日何もしないで軽い本を読んですごそうと決める。選んだのはアマゾンの古本セクションで買い揃えた「重蔵始末」(1)(2)(3)。そろそろ幕末期になろうという頃、蝦夷地や千島の探検をしたことで知られる近藤重蔵を主人公に据えた話である。史実なのか創作なのか知らないが、そうした冒険に携わる前、江戸で火盗改めの召捕り与力を勤めていたという設定の、「捕り物帖」風の時代物短編小説連作。作者はスペインもので知られる逢坂剛で、アマゾンで見る限りこの人が書いたちょんまげものはこれだけのようだ(なんか、西部劇の舞台を侍が行くような話は読んだような気がするが、それは別ということで)。
私は以前、近藤重蔵の墓がある町に住んでいたことがあり、なんで北方探検をした人がこんなところで死んだのだろうと訝しく思って、経緯を調べたことがある。まあ、その墓があるお寺の副住職が、病院の職員だったので、ほとんどその人から聞いたのだけれど。なんでも近藤は幼いときから神童の誉れたかく、軽輩にもかかわらずその学識才能は幕府上層部にも知られた存在であったらしい。
北方の探検という大役を務めた後、書物奉行に抜擢されると言う異例の待遇を与えられたが、どうもすぐテングになってしまう人であったようで、恵比寿の別所坂に邸宅をかまえて贅沢の限りを尽くし、とりわけ女出入りの激しさは悪評を呼んだらしい。挙句の果て、その派手な行状のせいで大坂へ左遷され、結局免職になってしまう。
しかも、大坂に飛ばされていた間、屋敷の管理を頼んでいた百姓一家が落ち目の近藤家の足元を見て屋敷の乗っ取りを図ったため、重蔵の息子富蔵が切れてしまい、その一家を切り殺すという事件を起こし、近藤家は断絶、富蔵は八丈島に遠島、重蔵は滋賀の僻地藩に預かりの身(要は保護観察)になって、そこで生涯を終えたのだった。多少の才覚があっても、人間関係がうまく作れないと思わぬ落とし穴が待っているぞという教訓として、近藤重蔵の名前を記憶していたというわけ。
まあ、そんな多少の縁と基礎知識があったので読んだのだが、正直言って小説の出来は今ひとつであった。傲岸不遜で頭のめぐりが抜群によいという重蔵の性格設定がありつつ、あまりキャラが立ってない。天才的勘で強引に事件を解決して、周りの人間の会話で謎解きを解説するというつくりもやっつけ仕事っぽい。やっぱり、ああいうハードボイルドな人物設定というのは、スペインの渇いた大地なら兎も角、江戸情緒にはなじまないということなんでしょうな。
なんて言いながら、三冊とも一日で読めてそこそこ時間つぶしにはなったので、古本屋に安値で置いてあれば買ってもいいかもしれない物件。
投稿者 webmaster : 2004年11月21日 20:03
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今年は日露通商条約締結150周年にあたるそうですね。幕末期ロシアとの間に国境を設定した川路聖謨という人にスポットライトを当てようという動きがあります。
投稿者 藍i : 2004年11月23日 11:24