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昨日は「流山児★事務所」の2005年新春公演、「桜姫表裏大綺譚」を観劇。ちょっと前にもここの「心中天の網島」を観にいったが、それにそう滅茶苦茶感激してファンになったわけでもないのに、またも出かけてしまうのがこの手の芝居の不思議なところであろうか。
大体、場所からしてシアター・コクーンだとかのしゃれたところでなく、両国近くの東京大空襲で焼け残ったとしか思えないようなレトロな界隈に、怪しく建っている60年代風のスタジオである。バリケード封鎖されたキャンパスを髣髴とさせる小汚いホールに導かれ、集まっている観客を見回せばみな一癖ありそうな連中ばかり。結構芝居を見慣れている同行者によれば、こんなに観客の平均年齢の高い劇団も珍しいとのこと。かなり層が違うにしても、杉良太郎あたりと競合する勢いがあるらしい。
芝居のほうであるが、題名でもわかるように歌舞伎の「桜姫東文章」を題材にしたものである。衆道の契りが現世でかなわぬことから心中した白菊丸という稚児が、某家のお姫様、桜姫として転生するものの、数奇な運命にもてあそばれ、遊女として落ちぶれながら、最後はお家再興を勝ち取るという話である。
それをこの流山児★事務所の芝居では、善玉と悪玉をまったく入れ変えてストーリーを再構成しているのだが、それが成功しているかどうかはなんとも言いがたい。ただ、劇場の雰囲気だけでも60年代末なのに、芝居の組み立てが完全にかっての学生演劇そのまんまなのである。いかにもといいたくなるようなダサい音楽の選択、微妙にもたつく場面の転換、楽屋落ちにしばしば走るクサめのギャグ、映画を変に意識したカットバック手法の多用、などなど。この世界をいまだにそのまま生きている、我らが同世代人たちもいるのだ。
まあなんであれ、それなりに2時間弱の公演を楽しみつつ、ほとんど末期の衰退を示している両国の町並みの片隅にあった居酒屋で同行者と反省会。本来はエンターテインメントのイベントに結構な金を払って出かけてきながら、何かこうかえって寂しい気分になってしまうのは何故であろうかと、焼酎をしこたま飲んで泥酔するばかりなのであった。
投稿者 webmaster : 2005年01月09日 22:30
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