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職場の机の上が多動性障害っぽい混乱を呈していたので、昼休みをつぶしてお片づけ。そうしたら、隅っこの方からリボンつきのチョコが出てきた。貼られたポスト・イットに書かれているのはカタカナ2字の名前である。はて、こんな人知らんがなぁと考え込んでしまったが、そういえばこれは老人病棟で飼っている猫の名前であるのに気付く。
痴呆性疾患専門病棟で猫を飼うようになった話は以前書いたことがあり、大多数の患者さんがあまり関心を持ってくれないことから、なにか痴呆性疾患の本質にかかわる問題がそこにあるのではないかという、いささかトンデモがかりの発想にまで至ったことがある。
もっとも、そう積極的に関心を持ってくれないとはいえ、猫がウロウロ歩き回っているのをそう露骨に嫌悪する人もおらず、淡々とした関わりは保たれているようではある。面会にきた家族の人たちにはまことに評判がよく、なによりそこで働く職員たちの心を和ませる効果は高いようだ。自発的申し出による統計ではあるものの、業務上のミスは明らかに猫が来てから減少しているのである。
そこそこの存在意義をえて、猫の方ものんびり暮らしているわけであるが、実は今年初め、この猫はかなりの危機を迎えていたのである。それは衛生行政機関による医療監視の折りのことであった。係官は病棟フロアを悠々と歩いている猫をみてしばらく凍り付き、もしかしたらこの猫はこの病棟で飼っているのかと尋ねてきた。
そうだという答えを聞いて、この係官は突然監査用のマニュアルをひっくり返しはじめた。しばらくそれを続け、出先機関にまで電話をかけて問い合わせしていたが、「病棟に猫が住んでいる」ということにたいする直接的指導の根拠を見つけられなかったようだ。
彼は渋い顔をして、「法的根拠は今のところ見つけられないが、猫を病棟で飼うことには問題があると思うため、後日連絡する」といって帰って行った。何日かして、その係官から電話があり、「具体的な規制項目はないが、猫にはトキソプラスマ症媒介の危険があるので、病棟で飼うことは自粛してもらいたい」と「口頭指導」をしてきた。
それを受けた主任さんはえらく困ってしまったようだ。私なら、セコイ役人風吹かすんじゃないよ、お前なんぞ、お茶でも飲みながら新聞広げて爪でも切ってろ、と言い返すところだ。トキソプラスマとはよくインネン付けを考えたもので、確かにそれに免疫のない若い女性が妊娠中に感染すると、子供に先天性トキソプラスマ症というやっかいな状態を来すことがないではない。
でもね、ここは「痴呆性老人専門病棟」なんだよ、お役人さん。妊娠中の若い女性なんか患者にはいやせんのだ。仮に役所が妊娠可能性のある職員のことまで考えてくれているというのなら、日本中の若い女性のいる職場や家庭から、猫を放逐するキャンペーンも当然やってるんだろうね。公園に猫がウロウロすることなんか、決してないんだろうね。
役人のそのいちゃもんを聞いたとき、ほとんど気分はポルポト派になり、世が世なら三下役人なんぞみんな粛清だ、電信柱にこの手のクズ役人どもを一人ずつぶら下げてさらし者にしてやるぞと、凶悪な衝動が湧いてきたものだった。でも、そんな風に怒ってみたって仕方ないので、ここは日本社会独特の対応、畏まってお受けし、まるきり無視するという方針で対することにした。
勿論、一応理事長レベルには報告しておいて、いざとなったら知事あたりと直談判するという「水戸黄門」式交渉の道も確保はしておいた、というのがちょっとハンカクメイであったかなとは思うものの。
ともあれ、猫はこの寒空の下、棲家を追い出されることもなく、何とか生き延びることができたのである。ま、バレンタインディにチョコをくれるぐらいの礼をしてくれても当然であろうと、早速そのチョコをむさぼり食ったのであった。
投稿者 webmaster : 2005年02月18日 17:39
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ネズミのチョコフォンデュなんてどーかしら。
投稿者 小狸工房 : 2005年02月19日 19:11
プレゼントがスズメやネズミじゃなくて良かったですねー。
投稿者 乱 : 2005年02月19日 17:40
以前万屋を経営されていたバーサンに頼まれて子猫を斡旋しました。
バーサンの愛猫が身まかって以来ウエノアネサマが陳列台の商品を齧り放題し始めたものですから万屋を閉店せざるを得なかったのです。
連れてこられた翌日にはでっかいネの字を捕獲した彼ではありますが、間もなく自動車事故で骨盤骨折、とんでもない大金をバーサンに使わせこれが全快してからは家中引っ掻き回し挙句の果てにとうとう繋がれて飼われるという猫としては大層屈辱的な結果になったのでありますが、
例え建てたばかりのお屋敷の壁紙をびりびりに破かれようとバーサンの表情は見違えるように明るくなったのであります。
しかしこれ以上に劇的な変化をもたらしたのが
私が納品に伺う度にわけもなくトゲトゲと当たっていたハイミスの(これ読んでませんように)娘さんが見違えるように明るくなったのでございます。
もうここへ納品するようになって何年にもなりますが終ぞ笑顔など拝んだことの無かったこの娘さんが猫抱いて始終ニコニコされているのでございます。
もうべったべたに猫可愛がり(笑)されている子猫(既に中猫)でありますが、ニャンコ一匹の存在でこれほどまでに個人に強烈な変化がもたらされるものかと驚きました。
猫の話題になるとどうしても話が長くなります。
ちなみにこのバーサン、万屋とは別にアパートも経営されているので経済的には平均的なサラリーマンよりよほど裕福でございます。
投稿者 小狸工房 : 2005年02月18日 21:11