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2005年02月26日  過呼吸症候群 [医学・科学関連]

神経内科医のドクター乱夢氏がブログを開設しておられるので、さっそく読ませてもらっているのだが、昨日の記事に「過呼吸症候群」が取り上げられていた。わかりやすくまとめられているのはいいとして、「紙袋で患者の鼻、口をおおい、ゆっくりと呼吸をさせることにより症状が改善」するという、きわめて常識化した対応法が書かれているのである。実際、過呼吸による呼吸性アルカローシスを改善させるための方法として、紙袋法は一応合理的であって、それなりに適切な対応法であるのは間違いない。

しかし、自分がこの発作を起こしたことがあったり、身近にこれを起こす人がいる人がいるなら気づいているかもしれないが、この紙袋法がスムーズに治療導入できることはそう多くない。過呼吸で苦しがって転げ回っている人に、どれどれ、こうやればすぐ改善するよ、などとこれを行おうとしても、まず「空気がなくなる。苦しいのでやめてくれ」と相手から懇願され、あえて強引にやろうすれば大暴れされて紙袋を引きちぎられるのが関の山である。

相手はパニックになって苦しがり、結果として呼吸性アルカローシスを起こしているのであって、呼吸性アルカローシスそのものによる身体変化について悩んでいる訳ではないのである。パニックそのものには紙袋なんぞ何の効果もなく、本人に身体的異常の機序について十分な認知がない限り、ただ有害なだけなのだ。

臨床に関与する人なら、その辺は気づいてもらわないとちょっと困る。そりゃ、過呼吸患者にたいして、無理矢理暴力的に紙袋を押しつけていたら、そのうち過呼吸自自体はおさまるだろうが、パニック過程の不安経験がさらに付加され、結果として治療への不信は増すばかりであろう。

救急場面ならどうせ点滴でも打つだろうから、早めにセルシンでも静注し、パニックそのものを押さえるのが先決で、よけいひどい不安経過を与えるようなことは有害なだけである。どうしても呼吸性アルカローシスに対処したければ、リザーバー付きの呼吸マスクでも当てて、酸素は投与しているふりだけで済ませるというのも一方法。バレないように工夫する必要があるので、私はこういう時に使う酸素チューブ栓をいつも隠し持っております。

とにかくその場は何とか押さえ、パニックの成因経過についての認知をちゃんと得てもらう余裕を作る必要がある。同じような発作ばっかり起こしていたら、ますます古典的条件反射やオペラント条件づけ反射の要素も加わり、難治化が進む一方となるのだ。

某やんごとない人のお妃様の場合、こういった配慮はなされているのだろうかと、とっても心配。いい加減にSSRIとマイナーだけ飲ませて、カウンセリングと称する、つまらんプレッシャー負荷だけしているのではあるまいか。私の経験をいえば、パニック発作で元の生活レベルに戻れない人は、まず器質的なハンディがある人に限られ、普通は治らん人なんかいないぞ。

かのお妃がその公務に結局復帰できず、そのおかげで本朝万世一系の美しい伝統が途絶えるようなことがあれば、それは100%今の侍医団内精神科医の無能によるものだと、ここで警告しておきたい。

注:間違われると困るので追加しておくと、紙袋法そのものが無効だといっているのではなく、過呼吸状態に対するそれなりの認知を得た上であれを悪化防止法として行うのは全然問題ない。あれを根本的解決法だというのはウソだよ、と言っているだけ。

投稿者 webmaster : 2005年02月26日 23:42

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はじめて過呼吸(過換気)症候群の発作が起きたのは、22歳ごろだったと思う。 職場で、それも社長の目の前で発作が起きて大騒ぎになった。 まだ時代... [続きを読む]

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コメント

紙じゃなくて、ビニール袋を使っていますね。紙だと破れやすいので。根本的治療ではないので、メンタルヘルス科に受診してもらうように指導しています。
恥ずかしいことですが、過換気症候群で低リン血症をきたすことは、数年前までは知りませんでした。

投稿者 ドクター乱夢 : 2005年03月03日 22:17

リンクHPの“隔離タンク、対外離脱体験、過換気症候群”というタイトルを見て笑ってしまいました.
意図せず並べた言葉なのでしょうが,偶然にも本質を突いてしまっています.dissociation.

投稿者 同業者 : 2005年02月27日 03:09

暴論ですが,“ヒステリー”状態だから,ほっとくのが一番かも.

そういえば,昔,ヒステリーで暴れてしまう人に,生食筋注したらたいへんよく効きました.

後日,その人が,家で暴れて,どうしようもなくなって,近所の精神病院に医療保護入院となり,統合失調症と診断されたのでしょう,ES(電気ショック)をかけられたら,すっかり良くなってしまいました.ヒステリーだって,ただ単に心理的要因だけではないでしょうから,つまり脳内の機能的な変調を伴うのでしょうから(主にドーパミン系か),ESが有効なわけですね.

投稿者 同業者 : 2005年02月27日 02:47

どうもです。確かに一次救急レベルでは何度も過換気を繰り返す再発作の人が多いですよね。
こういう人にしたり顔でペーパーバック法を説いても、釈迦に説法なことが多い。

針さされるのも厭で暴れる人とかたまにいますので、
僕は手を握ってゆっくり(催眠術師のような感じで)呼吸の指示をすることが多いです。
(もちろん袋かなんかで自分の呼気を再呼吸してもらいますけど)。

投稿者 hanjuku : 2005年02月27日 02:15