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2005年03月10日  ネコの回転着地メカニズム [医学・科学関連]

昨日の"DAS BUCH DER VERRÜCKTEN EXPERIMENTE"の抜粋から。

1894年、パリ科学アカデミーは、ネコが足を下にして着地する方法を解明する物理学的研究を募集した。非科学者にとっては、この答えは容易なことだ。ネコは空中で、自分の位置をちゃんとコントロールする能力が発達しているのだ。しかし、科学者にとっては、ネコがそのような運動をするのには、なにかしら複雑な秘密があるに違いないと思われたのである。

何しろ、空中では力を入れる手がかりがない。前足部分を回転させれば、反作用として後足は反対に回転するはずで、着地した時は身体がねじれていてもおかしくない。これはきっと、ネコがある位置から落下するとき、その瞬間に回転するべく、足場となる人間の手とかに力を加えているのだろうというのが、当時の科学者たちの推測であった。

ところが、そういう動きが出来ないように四肢を縛ったネコも、やはりちゃんと足の方から着地するのである。ネコはきっと空気抵抗をうまく操って、その空中での位置を調製するのであろうという仮説が次に生まれたが、これも正しくなかった。あのすべすべ毛皮では、ちょっと空気抵抗で回転するのは無理だろう。

この難問を解決したのは、フランスの科学者、エチエンヌ・ジュール・マーレィであった。彼はストロボ発光によって、一秒間に60コマの高速度撮影が出来る機器を自分で作り、ネコの空中での動きを記録した。これを見ると、ネコはまず身体の前半部をねじって地面の方に向け、その後後半部をそれに続かせるという動きをしていることが判る。力学的には、スケート選手が腕を広げて慣性力で回転を初めるのと同じメカニズムを使っているのも観察できる。

彼の実験が行われた後、我もとばかりに多くの研究者が動物を落下させた分解写真を記録するようになった。、モルモット、ウサギ、目隠ししたり、しっぽをちょん切った動物、平衡感覚器官を破壊した動物などなど。その結果、少なくともネコの場合は、空中運動の制御はもっぱら視覚によって行われていて、平衡感覚はあまり関係ないことがわかったという。

1960年代に、ある科学者がこれらの空中運動研究を回顧して、こういっているという。「ネコの空中回転問題は、きわめて興味ある課題を提供したのは事実である。しかし、その実用的な意味合いというものは、ほとんどなかったといっていいであろう。もちろん、当のネコたちにとっては大事なことであったろうが。」

こんな風にこの本ではまとめられているようなのだが、ネコのあの動きというのは人を魅了してやまぬものらしく、つい最近にもこれに関する研究は出版されている。1998年、ミラノのネコ類研究所のガンバーレ博士による、高さ別にネコの足からの着地成功率を診た研究である。それによると、1フィートから6フィートまでの高さで、ネコを逆さまにして落とすと、2フィートから6フィートまでは必ず足から着地するのに、1フィートの高さでは100回試行中全例で失敗したとのこと。

博士は、「ネコは必ず足から着地する」という通念は、高さが限られた範囲でのことだと指摘し、さらなる追試の必要性を提唱している。手元に適当なネコがいる方は、ぜひ追試して科学論文に名を残されてはいかがであろうか。私はうちのネコで予備実験してみたら、たちまち怒ったネコに引っかかれてしまったので、さしあたっては遠慮しておきます。

投稿者 webmaster : 2005年03月10日 23:15

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コメント

目隠しした猫は背中から落ちるんでしょうか...

投稿者 カミー : 2005年03月12日 23:48

この本タイトルはドイツ語、抜粋は英語になっていますが、本文は英語でしょうかね?買ってみてドイツ語だと読めないので。。。

投稿者 まさき。 : 2005年03月12日 16:14

> たちまち怒ったネコに
カタキを討たれていたりして・・・

猫が飼い主を銃で撃つ
http://abcdane.net/blog/archives/200503/catshotman.html

投稿者 乱 : 2005年03月11日 23:54