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2005年03月16日  SSRIとノラネコ [医学・科学関連]

先日、40年にわたる選択交配の末、頭がよくて人に馴れやすいキツネが得られた話を紹介したが、その元ネタ記事を読んでいたとき、ひらめいた(というほどのことでもないが)ことがある。「人に馴れやすい」という指標だけで選択交配していったキツネは、当然キツネとしての種の独自性を保ちながら、その個別的特徴にはかなりの差が生じたわけだが、私は中でもそれらのキツネは野生のものと比較して、「脳のなかのセロトニン濃度が有意に高い」という知見に興味をそそられた。

ご存じの方も多いであろうが、セロトニンは中枢-末梢神経や腸管での機能自己調節作用に関与しており、とりわけ脳内では神経伝達物質として重要な働きをしている。これの不足がうつ病の発症にかかわるという仮説があり、現にシナプス間隙のセロトニン濃度を高めるSSRIという薬物が、すくなくとも米国ではうつ病に対する第一選択薬となっているほどである。(私はこの薬の適応対象はそう広くないという意見を持っているが、それはまた別の話。)

人間に対する恐怖や警戒が解けない野生種のキツネとくらべて、選択交配で得られたキツネの脳内セロトニン濃度が高いというなら、野生動物にSSRIを飲ませることで短期的に選択交配をしたのと同じ結果を得ることも可能ではないだろうか、私はそう思ったのであった。ま、何のひねりもない発想ですけど。

これは早速確かめるべきであると、私の科学探究心はいたく刺激されたのであるが、残念なことに私の環境にはキツネなんかいないのである。そこで、その代わりにノラネコで実験してみればいいのではないかと思いついた。幸いというか、私の家には3匹ほどのノラネコがえさを食べにやってくる。初めのうちは、どこかで飼われていたと思えるネコが、えらく愛想よく食い物をねだりに来ていたので応じていたのだが、そのうち、もっと年季入りのノラ親子もやってくるようになった。

こいつらは朝早くからミャーミャーと人に食事を要求する厚かましさにもかかわらず、こちらが出て行くとさっと隠れ、草むらからこちらを伺っているのである。こちらが消えるとあたりを何度も確認し、やっと食べ始める。食べるのに熱中しているときにそっと近づいたりすると、50cmは跳び上がってパニックを呈する。食い物を提供しながら完全に仮想敵の扱いというのも気分が悪く、お前は金正日かと嫌みを言っても通じる相手ではない。

私は以前難治性のうつ病の人に使おうと、プロザックのけっこうな量を個人輸入していたので(結局効かなんだが)、家にはたっぷり在庫がある。こいつを餌に混ぜて食べさせれば、あのノラ親子もフレンドリーになるかもしれない。もちろんどのぐらい混ぜたら適正使用量になるかという問題もあり、今のところは実験していない。非認可薬をたとえノラネコとはいえ、相手の同意なく使うつかうのも気になるし、何より動物虐待に問われるのではないかとも心配になる。

少なくとも適正量を知るために、飼い猫の方でまず治験をやったほうがいいだろう。飼い猫も元ノラだけに、かなり愛想に欠けるのである。その点が改善されるなら、本格的なSSRI投与実験を展開してみよう。

そんなわけで、あと2〜3ヶ月もすれば「SSRIによる非愛想ノラネコの馴化」を確かめる一大実験が始まるかもしれないので、それでもあえてウチに餌をもらいに来るネコたちは、自己責任の原則を忘れぬようお願いしたい。

投稿者 webmaster : 2005年03月16日 23:59

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医学都市伝説の「SSRIとノラネコ」を読んでいて納得しました。やはり、私にはセロトニンが足りないと。昔からお手手つないで運動会で行進したり。仲良し同士(仲良しい... [続きを読む]

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コメント

ぱららぱっぱぱっぱぱっぱっぱぱ~♪
「桃太郎印のキビ団子ぉ!」

↑大山のぶ代の声で。

これを与えると食べさせた人間に無条件で動物が懐くというアイテム。
まさか実在するとは思いませんでしたが。

野良ニャは決して人には懐きません。どれほど相手に敵意は無いと分かっていても「人間は敵」と教えておかなければいつかは命取りになってしまうからです。
というわけで学校の行き帰りに顔をあわせる野良ニャの親子。
黒ニャがやたらとなつっこいので撫ぜ回して遊んでいたのですがその度に親猫は怒ります、
が、
ある日母猫はじっと僕の顔を見つめ
「アンタにこの子任せてもいいのか?」

…すまん、諸所の事情であの時は置いてやれなかったのだ。

僕は二度とその子猫には触りませんでした。

投稿者 小狸工房 : 2005年03月18日 02:54

http://www.vm.a.u-tokyo.ac.jp/yakuri/animaldrugs-2.htm
犬には既に用いられているみたいです。
代謝能とかが犬と猫とでどれくらい違うのか知らないので、どれくらいの用量が適切なのかはわからないです...

投稿者 ねこまんま : 2005年03月17日 22:28