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週初めから電子カルテが稼働し始め、今日はそれを本格的に使って外来の仕事をする最初の日である。一応今までの紙カルテ記事を簡単に要約しながら、処方内容の転記もしないといけないので、どんなことになるのだろうと心配していたが、案ずるより産むが易し、普段より30分ほど長引いただけで済んだ。
まじめな同僚は、この一週間ほどは自発的にカルテ転記を夜遅くまでやっていた。私は「今日やれることは明日に延ばせ」というモットーを生まれてこの方ずーっと実行しているので、そういうことは主義というか、倫理として出来ない。ただ出たとこ勝負でいくのであるが、それでもそう患者さんの待ち時間を無意味に延ばすこともなく対応できた。
それでも、やはり労働強化は著明である。今まで事務や看護チームのメッセンジャーがやっていたことを、医者がPCを使って全部やるというのが電子カルテの本質なので、ほとんどレストランの支配人になった気分である。
病院と言うところはサービス業という意味では、レストランなどと実によく似ているのだが、言うならば医者は調理人であって、支配人ではない。個々の患者に対する対応で手一杯になるので、とても支配人の役目までは手が回らず、それでも管理面では支配人の役割をさせられるというところに病院サービスにおける根本的病弊がある。よく大手の病院で、結構エライ看護婦さんがコーディネーターということでフロアにいたりするが、あれがうまく機能すれば実にいい雰囲気が醸し出されるのだが、やはりそれに専念するには、看護婦さんの立ち位置はちょっと割り切り方に欠けるのである。
ごくまれに事務にやたらにこの辺にたけている人がいることがあって、そうなればその病院の運営は実によくなる。ところが、そんなこと、滅多にないんですなぁ。医療コーディネーターってのは絶対これからの専門職になるべきで、医者でも看護でも事務系でも、これをちゃんとやれる人はそういない。
電子カルテでは医者が患者の流れもある程度差配することになるので、支配人の仕事とシェフの仕事を同時にやっているようなものである。しかも、こういうゴツイシステムを入れると、たいがいのスタッフはそのシステムを遵守することだけを金科玉条にしてしまうので、その動きの無意味さにしばしば苛つかされる。したがって普通なら笑って許すようなことも、今日は全く許せず、かなり嫌な野郎を演じ続けた半日であった。
実例1)「次の患者さんは車椅子なんですが」→「だからなんだって言いたいわけ?診察室に連れてきにくいと言いたいなら、あちらの広い処置室で診察しろと言えばいいわけでしょ?スムースな進行考えるのがあんたの仕事であって、無意味なコメントいってりゃ気を遣ってるふり出来ると思ったら大間違いだよ!」
実例2)「先ほどオーダーされた薬は外部薬局で在庫切れです」→「あのなぁ、薬局というのは処方箋にしたがって薬を処方する義務があるの。在庫切れだから処方箋書き換えろなんてクソ忙しい時に言ってこさせるじゃないよ。あっちの責任で薬取り寄せさせりゃいいでしょ。それが出来んのなら店閉めろと言っときなさい」
実例3)調子が悪いので早めに処置してほしいと執拗に訴える心気症おばさんへ「診察が済んでから」と繰り替えすスタッフに→「何ともないのにいつもくるとカゲグチいっといて、診察しないとイカンもクソもないでしょうが。いつもやってる簡単な処置なんだから、先にやってやりゃいいじゃないか。向こうがやってほしいのは形だけなんだから。中身がないなら、形だけでも提供してやるのがサービス業の本質なの」
電子カルテよりは、こうした脱抑制にどっと疲れてしまい、午後はほぼ再起不能になってしまった一日でありました。なんであれ、これでシステムがタコなら、辞表ものなんだけど、一応それは回避出来そう。
投稿者 webmaster : 2005年04月06日 22:35
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>院内のイントラネットとインターネットは一定の分離がなされているのか?
ここは初期設計のときにもめた点ですが、結局分離はしませんでした。専用機ではなく、院内どこからでもアクセスできる利便性のためにウェブ型を選んだので、ここでLANを二重化するのは意味がないと考えたわけ。したがって、中からはシームレスにイントラ、インターネット双方にアクセス可能です。外からは広報サイトだけで、このサーバーは外部のプロバイダにおいてあります。
もちろん、中から外につながるルーターのセキュリティはかなり厳しくしていますし、パケット監視、ウイルス管理とかはもちろん、データ大量コピーも監視できるようになってはいます。
外から物理的に侵入して、紙カルテを盗んでいくのと同じ手を使われたらどうにもなりませんけど。
投稿者 webmaster : 2005年04月08日 15:28
・個人情報保護法施工の為の対応なのでしょうか。
・カルテが電子化されても、科の間の垣根が取れて適切な病名と治療が始まることは期待薄なんでしょうね。
・患者を呼ぶとき、氏名を呼ぶと、まずいケースもあるらしいですが、どう対処されるのでしょう。
・院内のイントラネットとインターネットは一定の分離がなされているのか?。
・・・門外漢
投稿者 新屋 : 2005年04月08日 00:26
サーバーは院内ですか、そりゃそうですね。ネットがおかしくなったらシステム使えなくなっちゃいますもんね。
病院で画像掲示板が動いてたらなんかおかしいですね。ちょっとみてみたいです。
投稿者 yoda : 2005年04月08日 00:07
一応サーバーは院内にあって、端末は専用ソフトではなくブラウザでアクセスするという仕組み。さすがに外からはつなげませんが。でも、将来的には、近所の開業医や病院にASPサービスを売るという、密かな企画があるのも事実です。
図版はJAVAで適当なお絵かきも出来るんだけど、やっぱちゃんとした出来合いのものを集めておく作業を積み重ねておかないとイカンですな。
投稿者 Webmaster : 2005年04月07日 22:01
全身を含む各部位の図版が雛型となっていつでも呼び出せるようにして、これをタブレットと併用して任意に書き込めるようにすれば完璧!
各々の専門によって診断書のフォーマットも異なるでしょうけど、最終的に総合的な所見が下せるようにさらにこれらに共通するフォーマットを設け、あるいは自動的に予想される診断結果が割り出せるまでにデータが集まればさらに完璧!
…内科だの耳鼻科だのあちこち回った挙句、心療内科を紹介されるような負担が減らせれば…
皮膚疾患の原因が内臓疾患にあったりするので、患者さんのカルテに蓄積されたデータからオートマチックで将来心配される症状が示されるとか。
混乱する一方のような気もするけど。
専門外ですので、いくらでも無責任に妄想が広がります。
投稿者 小狸工房 : 2005年04月07日 20:14
なるほど。ウェブのASPですか。実績があればバグは少ないでしょうね。データベース本体が他社に存在するのがダメな会社だと導入できませんけど。
カルテって手書きの図をちょこちょこっと書いたりしないんでしょうか。スキャンしてアップロードするのは少しめんどくさいですよね。
投稿者 yoda : 2005年04月07日 18:41
アピウスというマイナーなところですが、原型になっているのはIBM。亀@病院が開発したやつのウェブ版です。けっこうサクサク動きます。
利点はこうやって、仕事しながらネットにつなげること。セキュリティはまた別の話。
投稿者 webmaster : 2005年04月07日 16:52
ウチは富士通のHOPE/EGMAINです.
ムチャクチャ重いです.そちらは何ですか?
投稿者 ネオ筑摩屋松坊堂 : 2005年04月07日 11:51
あるメールニュースに、
『電子カルテ導入によって、お医者さんは、患者の顔を見ずに、PC画面ばかり見るようになった』と言う記述がありました。(しかも、患者一人あたりの時間も増えたとか)
いっそのこと、アメリカ大統領の演説のようなスピーチプロンプターを導入するとか、そんなシステムの提案って、あるのでしょうか?(それとも、導入されています?)
投稿者 SUMI : 2005年04月07日 08:54
おお、こわーい。
電子カルテと一口で言っても、処方箋とか診察順序とか支払いなんかも絡んでて複雑なんですね。
すべてスムーズに動いたら仕事の無くなる人間も多かったりして。
いや、暇になったらサービス向上に努めれば良いのか。
投稿者 yoda : 2005年04月07日 00:19
webmaster様へ
どうぞこのままリポートを。
この本物の現場の声には真剣に注目されている同業の方も多いでしょうから。
しかしシステムの遵守と現実の流れとの擦り合わせが一遍に来たのは難儀でしたね。
直に省略できるところはどんどん省略化するようになって使い易いものに仕上がるものと思われます。
実はこれ、労働管理工学の一環なのです。
投稿者 小狸工房 : 2005年04月06日 23:42