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一昨日、法王の遺体が痛まない謎について調べていた時、こんな言い伝えがあることを知るに至った。法王がいよいよ臨終と言うとき、ぐっすり眠り込んでいるのでなく、本当に死んでいるのだと確かめるために、側近第一位の枢機卿が法王の額を銀のハンマーで三回叩き、さらにその洗礼名を呼んで返事がなければ、そこで身罷られたと判断するという。
これは2チャンネルの書き込みから、かなりちゃんとしたブログの記述に至るまで、ほぼ同じ内容で書かれていて、何らかの典拠が存在するのか、ある種の伝説が流布しているかどちらかであると思われた。
そんなわけで、"pope sliver hammer"で検索してみたら何のことはない、いつものネタ元であるsnopes.comで、この言い伝えについて詳しく検証してあるではないか。門外漢が独自に調べたって仕方がないので、そちらの記事内容を要約してみたい。
はじめにあげた言い伝えには多少の混乱があり、洗礼名をまず三回呼んで、返事がなければ次に銀のハンマーで額を叩くというのが一般的であるようだ。そして、法王の印である「漁夫の指輪」がはずされ、それをハンマーで壊すらしい。
2003年の9月、英国の高級紙「ガーディアン」は、法王の死後に行われる手続きとして、これをそのまま記事にしたが、その数日後、「バチカンによれば、その手続きは神話だとされる」と訂正した。今回、法王の死後にアソシエート・プレスが行った報道によれば、「そうした手続きが数百年にわたってなされてきたのは事実だが、60年半ばの第二バチカン公会議の改革によって、それは行われなくなった」とのこと。ただ、「漁夫の指輪」を壊すという儀式は今も続けられているらしい。
というわけで、一応歴史的には根拠がありつつも、今は行われていない儀式的手続きであると言うことのようだ。
なお、シルバー・ハンマーといえばどうしても、ビートルズの"Maxwell's Silver hammer"が思い出されてしまうのだが、これは法王の死後儀式とは全く関係ないらしい。この曲を作ったころ、彼らは「業」というインド宗教概念にとりつかれていて、めぐる因果の力の象徴として銀のハンマーについての歌を作ったのだという。つまり、こちらのハンマーは、シヴァ神のもってるトンカチで、カルマに対する破壊的癒しということになる。
もちろん、カトリックがそういうインド宗教の考え方を取り入れた可能性だってあるかもしれない。地上で神の代理人を長らく務めたことによって生じたカルマを、トンカチで祓らおうという発想が、そうした儀式として残っていたのかもしれませんな。
投稿者 webmaster : 2005年04月10日 23:18
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