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2005年04月16日  幻覚剤の発見 [今日は何の日]

LSDが初めて単離されたのは1938年、スイスSANDOZ研究所のアルバート・ホフマン研究員による。ホフマンは陣痛促進剤として使われていた麦角菌抽出物質から得られるアルカロイドの研究を行い、LSD-25という化合物を得た。この物質が示す向精神作用にはまったく注目されず、ホフマンは当初、「これを投与した動物は落ち着きがなくなった」とだけ記している。

ホフマンは1943年、この物質の効果について「奇妙な予感」を持って再調査を始める。4月16日、彼は研究中に微量物質を吸飲したらしく、奇妙な経験をすることになった。彼は急にめまいに襲われて早退するが、その過程で異常体験を覚えることになる。「ファンタスティックな絵や情熱的で万華鏡のような色の移り変わりとともに様々な形が絶え間なく流れていく」のを感じるのである。

彼は三日後、意識的にLSD-25を摂取し、その幻覚作用を再体験する。彼は強い知覚の変容、とりわけ時間体験変化について興味あるいくつかの報告を行っている。この物質の幻覚作用がポピュラーになるのは、60年代のヒッピー文化であった。当時の反逆者たちは、この物質によって得られる幻覚は、権力によって抑圧された日常意識を解放すると主張したのだった。

私が精神科医になった頃は、まだこの手の物質によって精神医学研究をすることは認められていたと思う。WHOへの申請文書があったんじゃないかな。実際に自分で使って幻覚を体験して見ることも、ちゃんとした手続きを経ればオッケー牧場だった筈。そういう物質を摂取することで得られる幻覚体験が、分裂病の病理を解明すると多幸的に受け取られていたわけだ。そんなもの、自分で経験すればなんかいいことがある訳がないんだけど。発熱の体験すれば、発熱の病理が理解できる訳がないように。

まあ、何であれLSDという物質が世界史上の重要タームになるきっかけになった日が、62年前の今日と言うわけ。

アルバート・ホフマンが初めていっちゃったので 4月16日はLSD記念日

投稿者 webmaster : 2005年04月16日 22:02

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コメント

大昔に「虹男」という映画があったそうです。
より先鋭的な絵を描くためにメスカリンを常用する男がやがて正気を失っていく様を描いた作品だそうですが。

キングの小説にも、娘の恋人に父親が酒を勧めるシーンで、男が喜んでグラスを受け取る様子に「おや小説家志望だというのにドラッグよりも酒を好むのか」と納得していました。
酒はドラッグの効果を妨げるので敬遠する自称アーティストが多いのだそうです。

投稿者 小狸工房 : 2005年04月18日 01:30

むかし、詩人の多田智満子さんが(もちろんお医者さんの監督下で)LSDを摂取して薔薇の幻覚を視た、という話を読んだとき、ちょっと羨ましいような気がしました。
同様の条件で実験をしたアーティストなりが他にもいるのかもしれませんが、多田さんしか聞いた憶えがありません。

投稿者 ニゲラ嬢 : 2005年04月17日 10:15