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2005年4月25日  ジェームズ・ボンドはいかに読まれたか [医学・科学関連]

"Scientometrics"という科学雑誌がある。この題名をあえて訳せば、「科学的計量学」とでも言えばいいか。科学論文の引用のされ方とか、情報伝達経路について研究した論文が寄せられている雑誌で、科学分野におけるSEO対策研究雑誌とでも言えようか。

その2004年度発行分に掲載されたのがこれ、「ジェームズ・ボンドと、その業績の引用について」(" James Bond and citations to his books")。その抜粋を以下に書き出してみる。

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この論文は二つの文献計量学的問題について検討した。ひとつは専門的領域(ここでは鳥類学)での基本的文献ということと、個々の研究者は引用する文献をどのように決定するのかということである。フィラディルフィアの鳥類学者、ジェームズ・ボンドは、西インド諸島の鳥類専門家で、自然研究者の実例としてよく名指され、その長いキャリアから生み出された多くの研究成果は、その有名な著作をつうじて彼の科学的名声を支えている。

そして、彼はその名前がある有名な大衆小説に使われたことから、思わぬ悪評をも被ることになった。ここでは、彼の著作とそこに掲げられた鳥類の一覧を、他の類似した著作と比較することで、その評価への方法論を提示してみた。
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抜粋の訳なので、なんだかよくわからないところもあるが、想像力をたくましくして類推すると、研究者を高名にする要素として、たまたまスパイ小説の主人公の名前に使われたということがどこまで関係しているか、ということを調べたという内容の論文ではないかと思う。要は、ジェームズ・ボンド氏は凡庸な自然研究者だった、と言いたいのかも。

中身はともかく、パフォーマンスの演出だけで有名研究者であるかのように受け取られている研究者というのは、確かにいることはいますがねぇ。まあ、それに騙される専門家というのは、まずいないけど。

狭い業界の話で申し訳ないが、私の分野でも結構高齢だけれどかなり精力的に地方会などで研究発表されておられる方がいて、この方がまた、TV出演で高名な某軍事評論家とよく名前が似ているのですわ。顔も何となく似ているような気がするほど。

その研究内容にはなんの興味もないながら、一度は学会に行って「かの軍事評論家氏は先生のご子息でしょうか?」と質問したい衝動を抑えられない。だから、滅多に読まない国内文献を、その方の名前を見つけるためだけに眺めているぐらい。実に失礼な話ではあります。

Lewison G.:" James Bond and citations to his books";Scientometrics, 2004, vol. 59, no. 3, pp. 311-320(10)

投稿者 webmaster : 2005年4月25日 22:56

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コメント

えーと、初めてコメントします。

いきなりですが、これはちょっと原文の誤読ではないかと思います。まあ論文の現物を読んでいないのであまり自信はないのですが。

ジェイムズ・ボンドはけっこう有名な鳥類学者で、西インド諸島の鳥類に関する論文とたった1冊の本で有名なわけです。あのボンドよりもずっと先に生まれています(笑)。

イアン・フレミングが、自分のスパイ・ヒーローを作るときに、手元にあった本の著者名からその名前を取ったのは有名な話です(もちろん実在するボンド氏は激怒しましたが)。ですからきわめて有意な関係があるわけです。

つまり、そうした偶然というか必然があったせいで、このボンドという鳥類学者の業績が他で引用されることが、おなじような業績をやった人よりも優位になったかどうかを統計的に調べるということではないでしょうか。

Methods for the evaluation of his book and associated bird checklists in comparison with other similar works are presented on the basis of their citations.

この「同様の著作」というのは、他の鳥類学者の業績ではないでしょうかね。名前を覚えられているから、引用の度合いがたかまったのでは、という一種の有名効果を分析したかったのではないでしょうか。

鳥類学者ボンド氏がジェイムズ・ボンドと偶然の一致をしているわけではない、というのがこの場合の前提条件です。なにしろフレミングが結びつけたわけですから。notoriousという単語に「ほらほらみんなも知っているだろうけど」といった含みがある気がします。

むろん、鳥類学者がその名を利用しているわけではないです。

新たな都市伝説を生まないでください!!!(笑)

それにしても名前の一致というのはおもしろいですけどね。

投稿者 graydorian : 2005年5月 3日 22:21

「どうも、○像です」
と名刺を差し出すと
「営業二課 宗○仁」
名刺にこうあるのを見るとほとんどのOLが
「まあ~テニスなさるんですね~」
「しませんっ!」

とりあえず取引先ではやたらと有名だそうですが本人は辟易しているとか。
営業マンとしての手腕とはまた別物ですから。

鳥類学者とアクションものというとふと「戦争の犬たち」を思い出します。

投稿者 小狸工房 : 2005年4月26日 06:08