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2005年05月26日  夜間筋けいれんの予防法 [都市伝説・デマ・トンデモ]

中高年には、特に女性に多いが、「夜寝ようとして横になると脚が攣ってしまう」という訴えがよく見られる。問題はそういうことを訴えても大概の医者は知らんふりを決め込むか、「ま、運動不足でしょうな。もうちょっと運動したら?」と冷ややかに言い放たれるのがせいぜいという現状がある。

ある程度まじめに受け取ってくれる場合でも、寝る前のストレッチとか、血流を維持するようにするため、ミネラルや水分をたくさん取れ、というようなありきたりのアドバイスをしてくれるのが関の山で、しかも、それがちょっと前までの血圧や頻尿への助言と矛盾していたりするモノだから、訴えた側は困るばかりというのもよく見られることである。

神経内科の専門家だと、この病態がいわゆるrestless legs syndrome(むずむず脚症候群)に至る広がりを持っているというような知識もあるので、それなりの薬物療法を提供してくれる場合もある。実際、リボトリールというてんかん治療に使われるベンゾジアゼピン系薬剤の少量使用が結構効き、他の種類のてんかん薬でも効く場合がある。立てば芍薬の、あの芍薬が入った芍薬甘草湯という漢方薬も役に立つことがある。血流改善剤やらビタミン剤も枯れ木も山のにぎわいとばかりに処方されるが、そんなモノで改善した人はまず見たことはない。

この状態に対して、欧米では今、ちょっとした民間療法が話題を呼んでいるという。それは、ベッドのシーツの下、なるべく脚に近いところにに石鹸を置いておく、というモノだそうだ。嘘だと思われるかも知れないが、"soap muscle spasm"で検索すれば実にたくさんの健康相談サイトでこの方法について解説されているのがわかる。そのほとんどが、専門家による「学問的にはまだ検討されていないが、これで効果があったという人の声は実際よく聞く」というものである。(例えばこことかこことかここ。後二者はrestless legsについても適応であるとしている)

これを最初に世に広めたのはAnn Landersという有名コラムニストらしいのだが、残念なことにその元記事を発見することが出来ず、どこからそういう予防法が発想されたのかということは今のところ不明である。とにかく、包装を解いた石鹸を脚の近くに置いておくだけでいいのだそうで、これに悩まされている人がいたら、ダメモトでやってみてもそう害はないのではと思える。

PubMedやGoogle Scholarで調べる限り、今のところ学術的にこれについて言及しているものはない。はてさて、単なる都市伝説の思いこみ効果によるものか、意外な根拠があるものなのか、ぜひプロたちの参戦を期待したいものである、って自分も一応プロの端くれだったな。早速明日にも、こんなのが効くという話もありますよ、と雑談めかしていってみようかな。蒸散した界面活性剤が神経筋接合部に作用して、その興奮性を減弱させるのだ、なんてもっともらしく説明してみようかしら。

投稿者 webmaster : 2005年05月26日 23:17

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コメント

作用の本態は界面活性剤というよりは、石鹸中の香料が
疑わしいかな?、漢方も精油成分が関わっていそうなもの
は多いですし。
暗示には匂いがある方が効果的かもしれませんが・・・。

然し、石鹸では(その商品の)文化的な(商業的な?)
側面が強いだけに難しい話になりそうですが。

局方の浣腸用石鹸当りから何が作用の本態なのか調べるの
も暇つぶしの一つとなりましょう。
案外、浣腸石鹸に多い不飽和脂肪酸の作用もあったりして。

投稿者 二人目 : 2005年05月28日 17:09