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一時、痴呆老人病棟で猖獗を極めた疥癬であるが、最近は他施設から転医してきた人に散発的に見られるぐらいになっていた。たまに疥癬患者が入院してきても、ちょっと前なら、人間に使ってはいけないことになっているガンマーBHCを塗りたくるような方法しかなかったのだが、近頃はストロメクトールという原虫駆除剤が使えるようになったので(といって、保険は通りませんが)、二次的感染にさえ注意すればほぼ完全な対応が出来るようになった。
ところがここ3週間ほどの間に、内科病棟に数人以上の疥癬患者が多発してしまった。聞いてみれば別の病院から転院してきた人が全身湿疹として治療されていたのだが、同室者に次々と同じ症状が出てきたとのことである。本人の病変部からは一応検体が提出されていたが、ヒゼンダニは検出されなかったので、慢性湿疹としてステロイド治療が続けられていたと言うことである。
でもね、教科書見ればちゃんと書いてあるのだ。病変部から適当に検体をとってきても、うまい具合にダニが見つかる率はそう高くない。細菌とかウイルスなら病変部周辺でいくらでも見つかるだろうが、相手は何しろ虫である。肉眼的な大きさではなくても、うまいことその虫がいる部分を検体として持ってこないと、見つかるわけがないのである。この疾患に熟練した人が検体採取しなければ、検出率は1割程度のものだろう。
ところがキョービの若い皮膚科医は、その辺に対してリアリティを持っていない人がかなり多い。検査したがダニはいない。だからダニによる疾患ではないとえらく簡単に結論を出す。症状をちゃんと検討すると言うことをしないというか、出来ないというか。私みたいに、戦後の上野の浮浪者みたいな疾患を、小汚い収容所の中でいまだに抱えて放置されているようなところを、しょっちゅう診たような経験もまず持っていないしねぇ。
今回の疥癬蔓延も、今まで大学から回ってきた皮膚科医には疥癬疑い患者を見せても無駄だという私の指示が、まさか天下の大学講師がアホな精神科医より無能であるわけがないという、新人看護婦さんの当然の思いこみによって無視された事が原因であったようだ。結局、この事態を収拾させる仕事はこちらにまわってくるんだからな、とブツブツ言いながら指示に精を出せねばならぬ土曜の午後なのであった。
投稿者 webmaster : 2005年7月30日 22:12
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他所猫をかまって家へ帰り、次に会ったらひげを引っ張ってやろうと企みつつ布団に入ると枕元で、ぴーん!
猫と蚤を移し合っていれば世話無いです。
皮膚科という分野も、よほど現場を踏んでいないと見当のつきかねる症例も多いとは聞きますが、ハタケとかシラクモとか、特定の世代ならすぐにピンと来るはずのものも多いと思いますが。
僕らが最後の世代でしょうか。ぽりぽり。
というわけでアメリカに留学中の若い小児科医からの寄稿。
父親の友人から首筋に発疹が出来て困っているが、半年も治療を続けても一向に良くならないので一度診て欲しいと頼まれて、とにかく一度患部の写真をメールに添付してくれと写真を見てみれば、
アホかっ、ウィルス性疾患である帯状疱疹に抗生物質が効くかと激怒したとか。
専門医がこれでは、ちょっと…
投稿者 小狸工房 : 2005年7月31日 00:07
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