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2005年08月05日  猫を抱きながら [日常]

痴呆老人病棟で実習していたパラメディカル学生の症例発表会があったので、コメンテーターとして出席する。ここの病棟では猫を飼っているのだが、最近そいつがもう一つ元気がない。どうも不妊手術をした腹壁筋層の傷跡に、腸管の一部が脱出してきているようだ。いわゆる腹壁瘢痕ヘルニアというやつである。手術の後、急に成長したからなぁ。傷が皮下で離開してしまったのだろう。

気になるので、症例発表会のあいだじゅう、膝に抱いてお腹の様子をみていたが、一応腸管は出たり入ったりしているようで、聴診してみても腸雑音は活発だし、動きもいい様子である。しばらく経過を見るということでよかろうと思われる。人間には滅多に聴診なんかしないが、猫となるとまた別。

猫を抱いて人の話を聞いていて発見したことが一つ。こういう状況では、相手の発表内容がどれだけ愚にもつかない非論理のボロボロであっても、そう腹も立たずに聞いていられる。普通なら、かなり辛辣な言い方で全否定してしまい、間違うと相手を昏迷状態に追い込んでしまったりすることもあるのだが、猫膝状態ではそういうことがない。

考えてみれば007映画なんかで、世界征服を企む怪人は大概猫を抱いていて、囚われのヒーローに対してシャンパンふるまったりしているものなぁ。「フフフフフ……、ボンド君、君には極めて興味を引かれるよ。その考え方には感心しないがね……」などと、余裕綽々で彼なりの理想を語ったりする。あれはほとんど、抱いている猫がそういわせているようなものに違いない。猫が自分の世界のバリアを作ってくれて、逆に他者への攻撃性も包み込むのであろう。

そんなわけで今後、くどい自己主張とか、辛辣コメントを言ってしまいそうな環境では、猫を連れて行って人の話を聞くことにしようと決心したのだった。

投稿者 webmaster : 2005年08月05日 21:38

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コメント

高田理美のマンガには猫を抱いて出社するOLが登場しますが。
「この子がいると落ち着くんです」
「課長、あれ…」
「ああうんいいよほっといて」

日々不足するα波を補うためにも、精出してナジェナジェしませう。
というわけで暗くなって帰宅しようとすると道路の真ん中に猫が。
「こんなところで何をやっているのだ君は」
「ニャーン♪」
ふと目を上げると防波堤で釣り人が釣り糸を垂れております。
「ああ、ここにいると雑魚がもらえるってか」
「ニャン!」
もちろん抱き上げて力いっぱい撫ぜ回す。
「ムニー…」
「やかましい、猫とゆーものは撫でられていくらの存在なのだ、良く憶えとけ」
もちろん他所んちの猫です。あるいは野良かも。
こうして猫と会話しているとまた妹がうるさいのですが。

投稿者 小狸工房 : 2005年08月06日 02:57

診察室に入ったら猫を抱えた医者がいたら…
それは余裕を持って話を聞いてくれるということなのか、はたまた最初から聞く気がないのか気になるところ(笑)

投稿者 HAL.T : 2005年08月05日 22:24