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"Are the poor willing to pay a premium for designer labels? a field experiment in Bolivia"、「貧乏人はブランドレーベルに金を払うか?ボリビアでの実験」という、オランダ・ティルブルグ大学のエコノミスト、ルーク・ファン・ケンペンが発表した論文の紹介。抜粋しか読めないので、もう一つ内容がわかりにくいため、検索してみたら、本人が講義で使ったパワーポイントプレゼンテーションを見つけたので、そちらも参照して解説したい。
人間の欲求というものはまず生存に必要なものに始まり、豊かさが得られるにしたがって、しだいに安全性とかの付加価値を求めるようになると考えられている。例として、例えば携帯電話を発展途上国で売り出す場合を考えると、余計な機能を外して安価な製品を供給すると言うのが普通の考え方である。
ところが、ノキア社はそう考えない。「貧しい国の人々は、高価な付加価値が付いた製品を、豊かな国の人よりも収入に対する割合が遙かに高いにも関わらず、購入する傾向がある。見かけとブランドこそが重要なのだ。貧しい国にあっては、これらの製品はステータスシンボル以上のものなのだから」、というのが彼らの発見で、それにしたがって発展途上国向け製品を作り、現に成功しているのだそうだ。
この考え方は、今までの低所得層に対する製品開発の理念とは全く反するものである。今まで、低所得層や発展途上国向けの製品というものは、無駄な装飾や機能を削った安価なものにするべきだと考えられてきた。そういう方向は、富の象徴としての魅力をそぐだけであったと言うことになる。
ケンペン研究員は、途上国における商品への購買欲求がブランドというものに強く影響されることを確かめるため、ボリビアのコチャバンバ市のスラム街で、カルバンクラインのロゴ付き香水と、全く同じものでありつつ、ロゴのない香水のどちらを人は欲しがるかという比較実験を行った。(本音が出やすいように、確率を応用した買い物ゲームにしてあるというのだが、これが正直言ってよくわからなかった。)
ロゴ付き香水は2割高であるが、被験者には中身は全く同じものである事を前もって説明してある。それでもかなりの割合の人が、あえて価格の高い方を選んだとされる。そして、その選択をした人は、①低学歴、②テレビドラマを見る時間が長いという特徴があげられるそうな。
なんか、あえてビンボー人をからかうような結論を出そうと努力したような印象がつきまとうもののの、実際、金のない人間に限って、無意味な差別性に飾られた商品を消費するというのも実感ですからなぁ。ウェブレンが指摘したような、有閑階級の衒示的消費なんてのは、大量消費時代になって貧乏人の特徴になってしまったというわけ。
ところで、ケンペン研究員のプレゼンテーションには付録が付いていて、香水の実験以外に彼がやったもうひとつの実験結果がまとめられているが、これがなかなか面白い。まず、3種類のTシャツを準備する。ナイキ、ラルフ・ローレン、地元のノーブランド商標の付いた3種類であるが、Tシャツそのものは地元製の同一品である。
二人の被験者にジャンケンのようなゲームをやらせ、勝った方はTシャツがもらえるのだが、どの種類が手にはいるかは負けた方が決めると言うもの。まあ、予想通り、賞品になるTシャツの一位はノーブランドで、三位はナイキであったそうな。その差はせいぜい数%、と言うのがちょっとうれしいような、どうでもいいような。
Luuk van Kempen, "Are the poor willing to pay a premium for designer labels? a field experiment in Bolivia.", : Oxford Development Studies. Volume 32, Number 2 / June 2004.p205 - 224. DOI: 10.1080/13600810410001699957元情報はImprobable Researchより。
投稿者 webmaster : 2005年08月25日 23:03
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