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米国中南部ではハリケーン・カトリーナがえらく甚大な被害をもたらし、しかも連邦政府の事前事後対策がやたらにお粗末だったことが露見して、政治経済への間接的影響だけとっても、かなりやばいことになりそうな雲行きである。
その手の議論はおいておいて、個人レベルの災害対策の中にはかなり根拠の怪しいものがあり、特に激しい風への備えとされているものには、明らかに有害なものがあるという。アメリカでは「常識」になっているアドバイスには、日本ではあまりなじみがないものもある。例えば、ロス医科大学が学生向けに掲げているハリケーン対策ガイドには、次のような記述がある。(ここは、ちょっと成績が芳しくない米国人学生向けに、ドミニカの小島に開設された医科大なので、ハリケーンは覚悟しないといけないわけ。)
<嵐が吹き荒れている間>風が吹いてくる方向とは反対側の窓を、少し開けておきなさい。こうすることによって、家の内外の気圧差のバランスがとれ、窓やドアが吹き飛ぶことを防げます。この"Open one window slightly on the side opposite to the one that the wind is blowing."という文章で検索すると、結構沢山のサイトが引っかかるので、どこかにコピペ元があるらしい。日本の災害対策ガイドに同じようなものはないかと探してみたが、こういう風に初めから窓を開けておけという勧めはみつからず、もう少し深刻な事態になった時向けに、似たようなアドバイスがされているのがみつかる。
鹿児島市消防局の台風対策ガイドにはこうある。「万一窓や雨戸が飛ばされた時は、直ちに反対側の雨戸を外し風を通しましょう」。これと全く同じ文章は別の消防局サイトにもあり、某住宅メーカーの台風対策ページにも同じ事が書かれている。
日本ヴァージョンは本家米国版のアドバイスと比べてもえらく大胆で、もうヤケクソといってもよく、本当にそんなことする人はいないような気がする。大体、素人考えで申し訳ないが、風が吹き込んで屋根が持ち上げられる力よりも、屋根に吹き付ける風によって、ベルヌーイの法則で生じる力の方が強いのではないかな。米国版の方は、あえてリスクを作っているだけとしか思えないし。実際、吹き込む雨はどうするつもりだろう。
そんなわけで色々検索してみたが、あまりはっきりと力学的な考察も含めて説明してくれる所は見つからず、せいぜい海洋大気庁(NOAA)の竜巻対策FAQに、次のような説明があったのを見つけたぐらい。
Q:昔、竜巻の時には窓を開けておけといわれたのですが、今はそうしてはいけないといわれます。どちらが正しいのですか?台風と竜巻の違いはあるものの、基本は同じだと思われる。がっちりと窓やドアを覆うような補強をして、早めに避難するしかないというのが実際の所らしい。
A:窓を開けておくことは無意味で、時間の無駄です。しかも、とても危険なことです。絶対やってはいけません。とんでくるガラスで怪我するのが関の山です。直撃されたら窓を開けようが閉めようが、どうせ吹き飛ばされます。
なおNOAAによれば、日本でよくアドバイスされる「窓にガムテープを貼って補強する」というのには、全く効果がなく、ガラスが割れた時の飛散対策にすらならないとのこと。ガラスにべったり貼るシールもあるが、窓枠自体を補強していないとやはり無意味だとのこと。ご参考までに。
元ネタはsnopes.comの掲示板。
投稿者 webmaster : 2005年09月03日 23:59
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某サイトの掲示板には、伊勢湾台風の当時、近所の小学校で用務員さん(当時)が校舎の窓を閉め忘れたところ、吹き込んだ風でものの見事に屋根がすっ飛んだ証言がありました。
やっぱり某家の親父のように、急いで窓という窓に板切れを打ち付け、進路が逸れてぶつぶつ言いながら板をはがすのがデフォのようです。
投稿者 小狸工房 : 2005年09月05日 21:00
そうかなぁ。飛行機の翼の場合なんか、翼の上を通り抜ける風と、下側をとおりぬける風の速度差が翼を上に持ち上げるわけでしょ。いくら室内を吹き抜けさせても、ベルヌーイの力は発生すると思うんだけど。
それに風の向きというのは刻々と変化している訳で、うまく吹き抜けてくれる保証なんかないのでは?
投稿者 webmaster : 2005年09月05日 08:02
"風が吹き込んで屋根が持ち上げられる力"ってのは、ベルヌーイの定理そのものです。風は、吹き抜けられずに滞留する部分で圧力が高まります。だから、反対側の窓を開けて風が吹き抜けるようにすれば、間違いなく、屋根が持ち上げられるリスクは減ります。伊勢湾台風の際の昔話として、反対側の雨戸が吹き飛んだ家は、屋根がなくならずに済んだ、と言うような話を聞いた記憶があります。定かではありませんが。
とはいえ、反対側の窓を開ければ、室内はめちゃめちゃ。こんな決断は、余程のことでないと下すことは出来ないと思います。
投稿者 bleached_brains : 2005年09月05日 00:18
遠藤周作だかのエッセイで、フランス滞在中にバカなフランス人達から「日本の家は木と紙でできてると聞くけど、風が吹いたら飛んじゃうんじゃないのか?」と聞かれ、面倒くさいので「飛ぶ度に建て直す」と答えたという話を思い出した。
今回のカトリーナクラスの台風じゃあ、RCしか駄目だろな~重量鉄骨でも保たないだろう。
投稿者 ・・・ : 2005年09月04日 16:58