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2025年、合衆国は南米において、豊富な資金力をもち、高度に組織化された麻薬カルテルと戦闘状態にあった。カルテルはロシアと中国から戦闘機を購入し、合衆国の麻薬工場攻撃を巧みに阻止することに成功していた。彼らは数的優位と地の利を生かし、合衆国に対して10倍以上の航空戦力で対峙していたのである。それに加え、カルテルはフランスの衛星測地システムを利用し、ほぼリアルタイムで1m以内の誤差で米軍の行動を監視していたのである。合衆国は何とかして、敵の優位性を削ぎ、完全な制空力を取り戻そうとしていた。
気象学的分析によれば、赤道下南米では一年を通じて、午後になれば毎日のようにに雷雨が生じる。諜報部は、カルテルのパイロットは雷雨周辺を飛ぶことには消極的という報告を送ってきていた。そこで我が軍の気象支援部隊は雷雨の通り道を予測した上で、敵航空部隊が防衛している地帯に雷雲を発生させ、それを強化するという作戦を開始した。2025年には我が軍の航空機はどのような気象条件でも作戦遂行が可能となっており、攻撃目標地点の効果的気象コントロールも出来たのである。
気象支援部隊は作戦行動に有効な気象改変要求に応えるため、モニターと行動を行う能力を備えている。これらの能力は戦闘区域の作戦指令システムの一環であり、その指令に応じて雷雨の強化や軽減作戦を行うのである。この部隊はほぼ90%の確率で、気象の予報と改変を行うことが出来る。2025年には、無人機による操作でこの作戦が遂行されている。
攻撃に先立ち、部隊は無人機に作戦プロフィールを入力すると、無人機は雲を集積させる操作に取りかかる。こうして敵の可視光線、赤外線を使った監視能力は削がれる。マイクロウエーブ加熱器を用いた局所的な熱集積は、カナダの民間業者によって提供されている特殊レーダー機能を混乱させる。攻撃地点には雷雲が発生しており、敵の防衛能力は著しく低下する。これらのデータはリアルタイムで集められ、更なる気象作戦のために利用されることになる。
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以上は1996年に米空軍が出した、"2025"と題された将来予測のうちの1項目、「戦力強化のための気象利用」(Weather as a Force Multiplier: Owning the Weather in 2025")と言う部分の前書き。少年雑誌の科学記事みたいなノリがよろしい。国家なみの力を持つとされる麻薬カルテルのこと、当然米軍の作戦能力を幾分かは備えるだろうから、「矛盾」の故事と同じことになるのでは、という疑問は出なかったんだろうか。
報告書はかなり膨大で、他の兵器構想もなかなか面白いものが多い。この章は仮想敵が麻薬カルテルだが、中国、ロシア、フランス、カナダが間接的に加勢しており、他のところでは「キング・カーン」とか、「ザイバツ」なんて名付けられた敵勢力も登場し、フィクションだとことわりが入ってはいるものの、米国人の世界観をかいま見せてくれるところも興味深い。
昨日まで空軍への直接リンクが生きていたはずなんだが、今はウェブ・アーカイブでその一部が見られるだけなのがちょっと残念。どこの誰がやっているのか不明だが、こちらにコピーがアップされているので、ヒマな方はご一覧を。
いまちょっと思いついたんだが、今度のカトリーナ被害やら、我が国に続々現れる台風による災害は、まさかこの手の気象兵器実験というわけではないでしょうな。
元ネタはこちらから。
投稿者 webmaster : 2005年09月09日 23:59
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