« 踊るヨーダ | メイン | 自殺死体、ハロウィンを飾る »
日本シリーズのロッテ優勝を祝ってか(違う)、さる10月17日、こんな報告がアメリカ外科学協会の定期会議で報告された。
内視鏡下大腸切除術を受けた患者に対して、手術直後よりチューインガムの投与を行うと、術後在院日数を減らすことができる。ペンシルバニア西部病院とテキサス西南医療センターの外科医たちによって行われた研究はこんな事実を明らかにした。
この研究は内視鏡下選択的大腸切除術をうけた102人の患者を対象にして行われた。ペンシルバニアとテキサスにある三つの病院で治療を受けたこれらの患者は無作為に二群に分けられ、対照群には術後にはごく少量の水分を摂らせるという標準的な手当を受け、もう一つの群には一日三回ガムを与えて噛んでもらった。その結果、ガム投与群は対照群と比べ、平均で丸一日退院を早めることができた。
術後イレウスは外科手術後の一定期間、消化管蠕動が止まってしまうもので、外科手術後にもっともよく見られる合併症であり、手術後に入院を続けなければならない理由の主なものである。イレウスは入院が長引く主要原因であり、米国ではこのために年間10億ドルが費やされている。この研究を主催したペンシルバニア西部病院のJ・マコーミック外科医は、手術直後からチューインガムを噛むことで、術後イレウスを防止することが可能だという。
「内視鏡手術を受けた患者さんは、今までの伝統的開腹術と比べ、より早い回復とより痛みが少ない経過を得られます」、マコーミック医師はいう。「我々はそれをもっと改良していきたいのです。患者さんたちはできるだけ速く家に帰り、家族のもとで自分の生活を始めることを望んでいます。ガムを噛むという簡単な手段で、それが実現できるのです」。
なぜガムが効くのかと聞かれ、マコーミック医師はこう答えた。「これがなぜ効果があるのかを説明する理論はまだ揃っているとはいえません。一番有力な説は『疑似摂食説』でしょうか。ふつう、食事時には座って咀嚼と嚥下に15分ほどをかけていますが、チューインガムを噛むことはこれと似たような作業だからです。早めに身体の方が普通のやり方だと考えるようになると、早めにその機能も普通のものになり、早めに家に帰ることができるようになるわけですね」。
ペンシルバニア西部病院は512ベッドを有する第3次医療センターであり、ペンシルバニア周辺の主要な医師研修病院でもある。2004年には病院評価機構によって選ばれた米国トップ100病院の中から、もっとも優秀な研修病院という評価を3年続けて得ている。
-----------
もっとも優秀な研修病院だからこそ、こういうミニマルで効果的な治療指針の発想が出てくるのだなと思う。先端医療技術ばかりが患者にメリットをもたらすわけではないという見本。その効果を説明するところまで、やたらに素朴なのはご愛敬というところか。
投稿者 webmaster : 2005年10月29日 18:17
このエントリーのトラックバックURL:
http://med-legend.com/mt/mt-tbcba.cgi/603
このリストは、次のエントリーを参照しています: 術後イレウス予防にチューインガム:
» [医療]術後イレウス予防にチューインガム from ザウエリズム 【Zawerhythm】
http://med-legend.com/mt/archives/2005/10/post_691.html http://www.wpahs.org/... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2005年11月01日 17:40
要は、空気を無意識に飲み込む量が増えて、ガスを出しやすくなる→腸が動いて閉塞予防というんではないでしょうか?
その昔、盲腸炎で切られた時、すかしっ屁しか出ないんでバクバク空気を飲み込んでブババッと看護婦に聞かせたことが。
投稿者 愛読者 : 2005年11月01日 02:10
マコーミックなだけにガムの味や甘味料の種類、スパイスのきいたものとフルーツ風味なモノとの比較とか、そこまで踏み込んで細かく分析と仮説を披露して欲しかったw
投稿者 ネムネム : 2005年10月29日 22:39