« 富士山 | メイン | 我が家という幻想 »
先週末にサンフランシスコで詐欺の疑いで逮捕された男が、「イングランド」という名前の国から来た本物の王族であると当局が認定し、釈放された。「イングランドというのは、大西洋を越えたところの、ロシアに近いところにある国だってことがわかったんだよ」、サンフランシスコ市長、ギャビン・ニューサムは頭をかきながらそう語った。「このトニー・ブレアのお仲間がそこから来たのは間違いない。トニー・ブレアてのはミネソタの知事だと思ってたけどね」。
男は自分を「チャールズ皇太子」と名乗り、バークレイの小学校を妻と共に訪れた。学校関係者は、彼が自分を「プリンス・オブ・ホエールズ」と自称したため、直ちに不審の念を抱いた。「そんなインチキくさい称号なんて聞いたことがなかったね。ホエールズって、クジラだろ。彼、どう見てもクジラの仲間には見えなかったもの」、そう校長のアルバート・ローズはいう。「あの男のどこを見ても、王族の雰囲気はなかったよ。スーツは似合ってないし、見てくれはパンクしたタイヤといい勝負だったね」。
自称カミラという、男が連れていた女性もまた、当局の不審の念を強めた。彼女はティアラを持ち歩いていたが、ディズニーストアで勤務している地元の王族研究家は「カミラが皇太子妃なんてことはあり得ない」と断言した。流れるような髪の毛とか、優雅な物腰とか、上品に寄り添う態度とかが欠けているのだと。要は、カミラとチャールズは人好きしない妙なカップルであった。しかし、その外観はインチキ臭くとも、「あの連中がやってきた国では、奴らは見栄えがいいみたいだね」、ニューサム市長はそう語った。
「イングランド」というのが本物の王国であるという事実が判明したことで、合衆国の国境の外には幾つかの国があるという、新たな謎が明らかになった。数ダース以上の国があるという説と、もっと少数であるという説を主張する歴史家の間で、何年にもわたって論争が続いている。
「その影響は実に深刻だ」、スタンフォード大学歴史学教授のフランクリン・シュタインは語る。「現在、我々には何が正しくて何がそうでないかを、明確に区別する手段がない。明らかに偽とわかる国名もある。例えば『請求書共和国(Check Republic)』とか、『終り国(Fin-land)』とか、『七面鳥国(Turkey)』みたいに。しかし、その他のものは本物みたいだ。チーズで知られる『フランス』とかね。その土地のこととか、言葉とか文化や哲学については知らないよ。そんな勉強するヒマがある奴がいるかい?」
奇妙な皇太子とその妻はイングランド、もしくは「ブリトゥン」(多分同じ国のことらしいが、彼らはつまびらかにしなかった)に帰ったが、謎はまだ多く残されている。しかし政府当局者は、このおかしな王族の発見にもかかわらず、アメリカ国家は何の影響も受けなかったことを強調している。
「よその国で何が起ころうと、我々は何の影響も受けないと、安心して言うことが出来る」、ホワイトハウスのスポークスマン、スコット・マクレランはそう言明した。「我々はずっとそのやり方でやってきたし、それを変える必要は何もない」。
--------------
以前、「チワワは犬にあらず」という大ネタ記事をのせ、本当だと思って紹介してしまった一部の素直な海外サイト紹介者に大恥をかかせた"The Watley Review"に、11月8日付けで上記の記事が載っている。ちょっとタイミングを逸したのが残念ながら、こういうよく判らない寓意というのは私の好みなので、臆面もなく紹介。
さて、この記事がパロディにしようとした主な対象は、チャールズ皇太子夫妻なのか、アメリカ国民なのか?
投稿者 webmaster : 2005年12月06日 23:05
このエントリーのトラックバックURL:
http://med-legend.com/mt/mt-tbcba.cgi/642
航空機の国際航路が日本から引かれた当時、某国の管制官に
「ニッポン?知らんなぁそんな国」
などという嫌がらせを受けた実話あり。
ええ、認識してもらえないと着陸態勢に入れませんので。
投稿者 小狸工房 : 2005年12月07日 21:02