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2005年12月25日  ハリー・ポッターと週末の救急病棟 [医学・科学関連]

年末恒例BMJのネタ論文、といいたいところだが、これはけっこう真面目な物件
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ハリー・ポッターは怪我しがちな子供に呪文をかける

この千年紀初頭に置いて、少なくとも二つのことが明らかになっている。子供というものは流行の遊びで怪我をするものだということと、彼らは(多分)ハリー・ポッターシリーズを読むということだ。過去の報告では、インラインスケートやマイクロスクーターが流行すると、事故や傷害を予防する手段をとっていても、外傷の危険が増加することが示されている。

もう一つの流行は本や映画のハリー・ポッターシリーズである。英国では最新作「ハリーポッターと混血のプリンス」は出版直後に300万部を売り、400万部に迫ると見積もられている。

スピード、ジャンプ、ローラーおよび鋭い角というようなものを欠くこのハリー・ポッターシリーズの流行が、子供たちの外傷にどんな影響を与えるのかという点に我々の関心が向けられた。
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そんな書き出しで論文は始まるので、もしかしたら、ハリーポッターシリーズが売り出されるたびに、英国では子供たちが不運な事故にあって救急受診するのかいなと瞬間思ったが、結果はごく常識的なものだった。この研究はシリーズの新しい二作である「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」と「ハリーポッターと混血のプリンス」が発売された週末とその前後の週末の、外傷で救急外来を受診し、入院に至った7才から15才の子供の症例数を比べ、シリーズ発売週末には統計的有意な入院者数減少が見られたことを示している。

たまたま天気が悪くて、子供が外で遊ばなかっただけではないかという疑問を払拭するため、ちゃんと天気もしらべて特変がなかったことも確認してある。

著者たちが最終的に得た統計的結果のグラフはこれ。調査期間の平均入院者数が67.4(標準偏差10.4)であったのに比べ、最終2作の発売週末ではじつに36.5(標準偏差0.7)という明白な減少が見られる。ハリー・ポッターの魔法は、かくのごとく子供たちを守ったことが実証されたのであった。

調査期間が2003年から2005年の6月と7月だけに限られているあたり(シリーズ2作が売り出されたのがその月という理由があるものの)、恣意的なデータ選択という印象はぬぐえないが、英国ではハリー・ポッターに夢中になって、子供が外で遊ばないというような現象があったらしい。これにハマって子供が次々にファンタジーオタク化した場合の、長期的影響予測についての第二弾研究が望まれるところ。

ところで、上のグラフでは発売週の棒線がなんか妙な絵柄になっているんだが、あれは魔法のホウキ?


Stephen Gwilym et al. Harry Potter casts a spell on accident prone children.:BMJ 2005;331:1505-1506 (24 December), doi:10.1136/bmj.331.7531.1505

投稿者 webmaster : 2005年12月25日 22:12

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