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2006年04月10日  Don't think too much, It's allright. [医学・科学関連]

ちょっと前に書きかけながら、論文を読みきれなくてほっぽり出しているうちに忘れてしまったネタ。「様々な要因が輻湊する案件を決断するときには、深く考えない方がいい結果が得られることが多い」という心理学論文の紹介である。私も自分の経験から全面的に同意するのだが、残念なことにいつも深く考えないので、深く考えるよりもいい結果が得られているかどうか自信がなかった。

元論文は本年2月17日に発刊された"Science"誌に掲載された。抜粋だけをざっと抄訳してみる。

「一般的な常識とは異なり、物事の選択の際に熟考することは必ずしもいい結果をもたらすとはいえない。意識的、無意識的な思考にかんする今日の洞察に基づき、我々は「タオルを買うかオーブンミットを買うか」というような単純な選択に関しては意識的熟考が必要だが、「住宅や車の選択」といった多くの判断要素のある事柄の選択については、無意識的思考が勝るという作業仮説から研究を行った。仮説は「集中なき熟考」と名付けられ、それを元に消費選択についての四つの実験が行われた。これらは実験室だけでなく、街角の商店でも行われ、複雑な判断要素のある商品購入の際には、意識を集中させた熟考によって、かえって悪い結果を得られることが確かめられた」。

サイエンス誌の元論文は金を払わないと読めないが、同じ研究者によるほとんど同じ実験をまとめた論文(PDF)が公開されているので、以下の説明はそちらに付いてのものである。

著者たちはアムステルダム大学の学生63人を被検者にして、4つのアパートの優劣を決めるという課題を与えた。4つのアパートには12の属性が定められ、それぞれについてポジティブもしくはネガティブな評価がつけられていている(例:「素敵な街並み」、「ちょっと騒がしい」など)。間取りや広さ、当然家賃も属性の一つである。4つのアパートのうち一つは条件がかなりよく、一つは最悪、後の二つはまあまあという設定がされている。

条件が示された後、被検者は3つのグループに分けられ、一つのグループはどのアパートを選ぶか即断を迫られる。残りの二つのうち一つには3分間熟考することが求められ、別のグループには3分間数字パズルの課題が与えられ、その後にそれぞれ回答するという手順になっている。その結果、即答組と意識的熟考組よりも、3分間問題への集中をせず、いわば「意識下で判断した」組が最良のアパートを多く選んだという結果が得られた。著者たちは類似した条件で他4っの実験を行い、上記の結果を確認している。

著者たちはこれらの結果から、どこに住み、どんな仕事をするかというような、多くの判断基準が錯綜する事柄について選択をする場合、それらの条件をいったん胸に納め、それに集中することなく「無意識下」で暖めておくことが、もっともよい決断結果が得る道だと主張している。

はじめにざっと記事を見たとき、私がいつもやるような、上っ面の印象だけで即断するのが一番という主張かと思ったが、どうもそうではなかったようだ。これからこの手の決断を迫られたら、一晩酔いつぶれた後に判断するようにしよう。でもこの前も車買うとき、ディーラーのオヤジにいわれるまま、5分で車種を決めちゃったんだよなぁ。(Via)

投稿者 webmaster : 2006年04月10日 22:51

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「同時に考えよう」で無意識の思考について私自身の経験について述べたのであるが、驚いたことにそういう仮説が実際にあって、実験も行われているらしい。 ... [続きを読む]

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コメント

酔いつぶれてしまったら、「無意識」も働かなくなるのではないかと…。
従って、ほろ酔いぐらいに留めとくのが吉?
(ちなみに、「判断材料を詰め込んだ上で無意識下に沈めておいて、しばらくしてから決める」というのは、「一晩寝て考える」という古い言い回しにもありますし、ラッセルも「幸福論」の中で勧めていますね。)

投稿者 blackdragon : 2006年04月12日 14:07

うれしくなるような話、のように思えたので思わず論文を印刷してしまいました。
前々から思っていたのです。小さなものを買うときにはあれこれ検討し、迷い、時間をかけて決めるのに、大きな決断ほど「いい加減」で人にも心配されていました。アメリカに来ることもさほど考え込まずに決め、車も家も直感で選びました。それでさして失敗したことは、、、ええと、男選び以外は、あまりないのですが、こういう性質でいいんだろうか、と時々思うのです。
これから論文を読みます。紹介ありがとうございました。

投稿者 祐RN : 2006年04月12日 05:43