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ことのはグループの管理人、松永氏が健康を害しておられ、それも若い人には珍しい肺結核とその関連疾患と診断され、近く入院されるというので心配している。大きなお世話だと思われるだろうが、やはり主な原因となったのは信者時代のオウム=アレフでの集団修行生活であろう。とくに食生活上の厳しい戒律の影響は大きいと思われる。人間、食いたいものを食うことが一番だと、今更のように思う。
精神科なんかやってると、身体のことなんか知らんだろう、特に結核なんか全く門外漢だと思われるかも知れないが、結核のことなどほとんど問題にならなかった時代にも、私はけっこうこの病気とつきあうことが多かった。一つには長期入院が普通であった精神病棟では、しばしば結核の集団感染があり、その予防を考える必要があったこと。栄養状態が悪くなりがちな、慢性アルコール中毒患者や薬物中毒患者に結核の合併がよく見られることも理由の一つ。
それに、20年ぐらい前までは、古い国立病院にはまず結核病棟があった。そこで長期入院を余儀なくされていた人々には、施設症候群("Institutionalism")と呼ばれる施設依存的な性格傾向が形成されてしまい、それが原因なのか、一過性の精神症状を呈することもよくあったのである。私は腰が軽いというか、あっちこっちで呼ばれたらすぐにホイホイと出かけるので、よく往診依頼がきた。そうした状態をみるのもためになったし、精神病棟とはちょっと雰囲気の違う、別種の沈滞した病棟をみるのもいろいろと参考になったものだった。
そんなわけで結核に関しては多少の知識があるのだが、松永氏がご自分のサイトで報告しておられる状態と、医者側の説明がかみ合っていないような点が目立つのである。まず、彼はこの間、下肢の激烈な疼痛に悩まされておられるのだが、医師はそれを「腸腰筋に水が溜まっているから」と説明しているらしい。これがまず疑問。結核による炎症というのは陰にして虚な傾向があり、腫れ上がって七転八倒というのはどうもそぐわない。もし激しい痛みが出るなら、脊椎に炎症が拡がって変形を来しているとか、膿瘍が神経を圧迫している場合であろう。それが骨には、今のところ変化が出ていないらしい(単に書いておられないだけかも知れないが)のである。
結核による膿瘍は「流注膿瘍」といって、骨にできた病変から流れ出るもので、あまり激しい発熱や炎症反応をおこさず、ただ重力によってじわじわと、組織間隙を下部に向かって伝わっていく性質がある。確かに腸腰筋あたりに溜まることが多く、それによって筋肉が収縮してしまい、足が伸ばせないという症状は有名ではあるのだが、脊椎病変以前にそれが出るというのは、なんとなくおかしな気がする。あり得ないとは言わないけれど。
この膿瘍は昔から開いて取りたくなる誘惑を外科医に与えたらしいが、こいつはいったん開くと「地獄の門を開くようなもの」といわれたと聞く。普通の細菌による膿瘍のように、排膿用ドレーン突っ込んでおしまい、というわけにはいかないらしいのである。私が往診していた国立療養所にも、戦前の排膿処置の傷が開きっぱなしで、ひたすら洗浄とドレッシングを繰り返すだけという患者さんがいたものだった。
骨破壊があってそれに対する骨移植手術というなら判るのだが、筋肉病変だけがあるときに手術適応はあるのだろうか。患者側のブログ記事をみて勝手な推測して、門外漢が下らん心配するなといわれそうだが、松永氏が冷静に自分の病変にたいして、図示までして把握しようとしておられるにしては、今ひとつ医療側の説明が弱いように思える。
これも全て、アホな攻撃を続けて飽きない連中に、弱み情報のすべてを開示するわけにはいかんという、松永氏の戦術的な姿勢だと理解して、余計な心配をしないようにしておこうか。ま、当たらずと雖も的はずれの5thオピニオンぐらいに受け取っておいて頂ければ幸いである。
投稿者 webmaster : 2006年04月20日 23:09
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このリストは、次のエントリーを参照しています: 結核考:
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医学都市伝説: 結核考 今見たらこちらで疑問を持たれているようなので、少し関連しそうな情報のせときます。 2月ごろ、右脚(尻〜太もも)の座骨神経痛に苦し... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2006年04月21日 14:42
今日(4月24日)の記事には、「腸腰筋以外に異常はなし。脊髄への影響が懸念されたがやはり異常は見られず。血液による転移っぽい。熱に関しては手術する以外に治療法なし」(改行省略)とありますね。
http://d.hatena.ne.jp/matsunaga/20060424
膿瘍がTB性であるにせよ、システマティックな問題、それこそ「ひぶやろいけみ」などを調べるのが先だと思えますねぇ。今の時点で手術しかないという結論が判らん。今まで後手に回っていたので、ちょっと無理な結論に飛びついてるんではないかしら。もちろん、松永氏は関係ないわけだけど。
医療にも弁護人制度みたいなのがいるのではないか、てな気分になってきた。
投稿者 webmaster : 2006年04月24日 12:32
同意です
MRI上spinal Tbの証拠があるに違いありません。abscessは二次的なものであるはずです。ひぶやろいけみなど調べたほうがいいような。
投稿者 Aspirin : 2006年04月23日 23:08
肺炎で入院した頃のエントリーもチェックしてほしくおもいます。
様々な抗生物質を投与されています。
かなり、珍しいケースの感じもしつつ、誤診からくる、結核の転移ではないかとも???
あと、かなりの豆乳好きが、良いのか悪いのかわからないのだけど、このあたりにも、普通の人とは違う体質になっているような。
ただ、肉体的なことより、精神的ストレスの方が心配です。
投稿者 noneco : 2006年04月21日 18:12