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掛け値なしに私の3倍以上働いておられるのは間違いないので、9to5医者としては申し訳なくて時々覗きにいくだけの「NATROMの日記」に、こんな記事があった。「はてな」の人力検索に、こういう質問が掲載されているというのである。
「知人が霊に憑依されて困っています。具体的な症状は、特定の複数の霊の声が聞こえて、知人を罵倒するそうです」というのがその内容である。「除霊したいと考えているようですが、信頼できる除霊士を知りません。信頼できる(確実に除霊できる)力のある霊能力者を教えてください」。なお、「なお精神科に行けというのは不可です」、なぜなら「現代医学では直せない状態で」、「病気ではないと断言」出来る状態なのだそうだ。
言うまでもなくこれは精神分裂病の症状で、この質問者の知人(NATROM氏が推測するように、この問題に悩んでいるのはまず質問者本人であろう)が医学的介入を必要とする状態にあることは間違いない。除霊なんて寝ぼけたことをいってることも含めて、すべてが幻覚に基づく妄想症状と言ったっていい。
したがって、これを「代替療法」を求める患者の声だと捉えるのは多少違うのだが、そこは私より数倍は真面目なNATROM氏のこと、「身体系の医師は、代替療法でどうしようもなく悪化したのを診ることがときにあるのだが、精神科も似たようなことがあるんだろうなあ(一部字句追加)」という教訓をえようとしておられるのである。
定式的な治療手段が確立している疾患なのに、患者側は胡散臭い代替療法に凝ってしまい、その結果ひどい悪化に陥ると言うことは身体科医学ではたまにあることに違いない。代替療法とまでは言われないものの、某○山ワクチンなんかも、同じような悔しさを多数のガン治療者に与えたと聞く。もっとも、定式的な治療が本当に患者に対して充分なQOLまで踏まえているかと言うことに、医療側がいままで充分自覚的だったかというのはかなり怪しい。その意味で、代替治療は正統的医療の鏡として機能していると言えるだろう。
さて、問題は「精神科も似たようなことがあるんだろうなあ」というNATROM氏の感想である。この点については、少なくとも私の経験では、まったくそんなことはないのである。代替治療は代替治療、本筋はあくまで定式的な治療というのが実際なのだ。彼の日記記事には「香山リカが、頻繁にあると書いてましたよ」というコメントが寄せられていて、精神科医は拝み屋とか除霊士とか妙な新興宗教と、日夜つばぜりあいを繰り返す近代医学のフロント戦士であるかのような印象を与えている。でも、違うんだなぁ。そんなことはまず絶対ない。
香山リカの臨床能力を実際に確かめる機会はないが、彼女のマスコミ発言とか書き散らかしたものからは、とてもまともな精神科医療が出来る人間とは思えない。精神科領域で、代替医療ごときに実際の医療過程を阻害されることなんかあるわけがなく、もしそうされていると主張する医者がいるなら、それはその人のやっている医療内容が、胡散臭い代替医療と五十歩百歩だからなのだ。
よく理解もしていないラカン理論を元に決めつけるのと、これは先祖の霊障だと除霊士がいうのはまるっきり同じ構造なので、そりゃいい商売敵にはなるだろう。それらは疑似科学という点でまったく同値なのである。彼女が「まともな医療が出来る人間とは思えない」というのも、そうした疑似科学的信念に基づいた治療行為が有効であるとは思えないと言うのであって、決してその見識のなさとかを非難しているのではないのだ。
妙に長くなったので、このテーマに関しては明日引き続いて論じることにする。
投稿者 webmaster : 2006年04月28日 23:58
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私が主治医をしている不安障害の患者(40代女性)はエホバの商人です。不眠を主訴に時間外外来を17時ころに頻回受診し、コントミン25mgIMで車を運転して帰ってきます。このまえお試しに、生食をIMしたら満足そうに帰ってきました。
最近お疲れのため任意入院中なのですが、主治医の私がお祈りするとよく眠れるとのことなので、毎日私も眠れるように祈っていますよと伝えるととよく眠れるようです(南無阿弥陀仏)。
投稿者 白衣を着た詐欺師 : 2006年05月04日 23:36