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2006年05月08日  ダ・ヴィンチ・コード [本とか映画とかTVとか舞台とか]

ダ・ヴィンチ・コード(上)連休の間、酒飲んで寝てばかりいたら、定年退職後に濡れ落ち葉となってアル中化し、我が良き顧客となる人々を思い出して、せめてまとまったことをしようと、必死になって文庫本3巻という結構な厚みのこの本を読み通す。映画化されて今月後半あたりに公開されるというので、TVでしょっちゅうCMを打っていたのが選択理由。

TVのCM映像では、モナリザの絵の具がめくれてその裏に暗号が書かれているようなものがしつこく流れていたので、なにか図像解釈学的な蘊蓄を中心に話が進む超ハイブロウ・教養ミステリであろうと予想したのだが、有り難いのかそうでないのか判然としないものの、話は殆どひけらかしレベルの表層的なところで進むのであった。

ルーブル美術館の館長が何者かに射殺され、今際の際に残したダイイング・メッセージがダビンチの有名な素描、よく引用やらパロディにされる、裸のオッサンが「足を開いて腕を横に上げる運動」をしているような絵に自らをみたて(あれがウィトルウィウス的人体図と呼ばれるとは知らなんだ)、かつケッタイな暗号をその周りに書いていたというところが謎の導入部。

たまたま被害者と会うことになっていた、宗教図像解釈学の権威であるロバート・ラングドン教授が重要参考人として現場に呼ばれる。被害者の孫娘ソフィー・ヌヴーはフランス警察の暗号解読専門家で(当然美人)、彼女は祖父の残した暗号から危機を感じ取り、ラングドン教授を協力者にしたてて警察当局を出し抜き、謎の解明をしようと決心する。そして二人の大活劇が始まるのだった、というような話。

話の進みかたはいわゆるジェットコースター形式で、一難去ってまた一難、そのあたりでひとまず無難なところにおさめておけよと思う読者の気持ちを逆なでしながら、次々に新しい危機が訪れる。ソフィーは暗号解読のプロだが、宗教解釈学関連にはズブの素人という設定で、キリスト教の成立過程で異端や異教として切り捨てられ、隠されてきた内容についてラングドン教授が説明するという形で蘊蓄披露があるのだが、素人に説明しているから仕方ないとは言えるものの、これが全くのパンフレット的羅列で、物語の彩り程度に終わっているのが難点。

後半、主人公たちに協力する専門家が出てきてもこのあたりの事情は同じで、プロ同士の話ならもっと深いものにならんのかねぇ、と思わざるを得ない。例えば狙いは似ていないでもない、U・エーコの「薔薇の名前」や「フーコーの振り子」とかでは、別にクソ難しいトリビアを垂れ流しこそしなくても、もう少し厚みがある印象を残しましたがなぁ。

後半多少もたつくものの意外な黒幕も姿を現し、ダ・ヴィンチがその絵に残した秘密も一応の解決というか、それなりの収まりが示されて話は大団円に至る。ところで、その謎といわれるものが欧米ではスキャンダラスな大騒ぎを惹き起こしたというのだが、ヤオヨロズの神様たちがあふれかえる本朝の美風から見ると、何が問題なのかさっぱりわからない。この程度の「謎」を隠匿しないと成り立たんような文明なら、そりゃそのうちアウトだろうよと意気揚々と本を読み終え、我慢していた泥酔モードに再び戻っていったのであった。

投稿者 webmaster : 2006年05月08日 23:01

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コメント

はじめまして!2ヶ月前に本を読んで映画を観ました。
映画のほうはいろいろ批判的な評が目に付きますが
(原作はいいのに映画は…的な)私は映画のはほぼ原作に忠実に制限のある中で健闘していると思います。
でも、原作はおっしゃるとおり、我が意を得たりとの思いです。TBさせていただきますね。

投稿者 ぱれっと : 2006年05月27日 16:20

なんだ、買わなくてよかったw

投稿者 nekonigohan : 2006年05月09日 17:46