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日本式「ハードボイルド」の描写に、「俺は銃口を奴の鼻先に向け、ここまでだな、と言い放つ。引き金を引き絞る俺の指先に、アドレナリンが満ちてくる」、なんてのがあるが、若い男性は銃をいじくるだけである種のホルモンの値が急上昇し、攻撃性もそれにつれて高まることが実験的に確かめられたと主張する論文が、来月出版される"Psychological Science"に掲載される。アドレナリンではなくテストステロンであるけれど。
イリノイ州ノックス大学の心理学者、ティム・カッサーを中心とするグループは、「味覚感受性を調べる」という名目で18~22歳の男子学生30人を被検者として集めた。実験前1時間は水分摂取、喫煙、歯磨きなどを禁じ、まず比較用の唾液を採取したあと、「集中力が味覚に及ぼす影響を調べる」と説明された上で、半数の被験者にデザート・イーグル自動拳銃を渡し、その操作と分解、再組立を15分間行わせた。残り半数にはマウス・トラップと呼ばれる玩具ピストルが渡され、やはり15分間それを観察するように命じた。
その後、唾液をもう一度採取し、そのテストステロン濃度を測定した。その後、「別の被験者に飲ませる味覚テスト用の検査液を作る」と説明して、トウガラシエキス液の調製を命じた。使われるのはホット・ソースというタバスコより辛い調味料である。被験者はそれを好きなだけ加えてよいと説明される。
この実験の結果はかなりはっきりしたもので、拳銃をいじったグループの唾液内テストステロン値は15分間の間に100倍近い上昇を示した。また、拳銃グループの調製したトウガラシ液の濃度は、比較群の3倍近い濃さを示していた。
この論文で著者たちが主張しているのは次の3点。(1)銃はいじっているだけでテストステロン値を上昇させる。(2)高濃度のトウガラシ液を作ることで判るように、銃をいじっていると攻撃性が増す。(3)テストステロン値の上昇は攻撃性の増加と正の相関関係を示す。
妙にクリアカットな結果なので、逆にホンマかいなと思ってしまうが、いわゆるガンマニアをみていると、こういう結果も理解できる気がする。もう一つ意欲や集中力の改善が得られずに遷延しているような、うつ病治療に応用できるかも知れないな、なんて考えたり。薬物をごちゃごちゃとっかえるよりは安全かも。そういえば、映画「タクシー・ドライバー」のトラビスも、銃耽溺で日常生活を維持していたようなものだったわけで。
なお、実験に使われた銃はレプリカだったそうだ。15丁全部研究費で買ったんでしょうかね。出来れば様々な年齢層や、女性を被検者にして実験を続けて欲しいものだ。銃でなくフィギュアを使うとか、ちょっと応用すればいくらでも危なめの実験が出来そう。
この論文の草稿はこちら(PDF)。
投稿者 webmaster : 2006年05月22日 23:52
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