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ユタ大学心理学講座の研究者による論文(PDF)より。
本研究の目的は、運転時の携帯電話通話の相対的な危険性を示すことにある。疫学的な事実によれば、携帯電話を運転しながら使うことは、アルコール血中濃度が法定限界状態で運転することと同等の危険性があるとされている。本研究では、携帯電話使用者と飲酒運転者の運転技術を実験室レベルで直接比較することを意図した。
我々は高解像度のドライブ・シミュレーターを使い、携帯電話使用者と血中アルコール濃度が0.08%に達した酩酊ドライバーの運転パフォーマンスをくらべた。その結果、運転者が携帯電話を直接手持ちしているか、ハンド・フリー装置を使用しているかを問わず、非使用者と比べて、そのブレーキ応答は遅れ、事故を起こす率が高かった。
一方、アルコール酩酊者の場合、その運転スタイルはより攻撃的になり、他の車と接近した際には、より強い力でブレーキを踏むことが示された。
結論として、運転条件や時間の標準化を行うと、運転時の携帯電話使用は、運転能力減弱は酩酊運転とほぼ同等であった。本研究は、携帯電話使用によって散漫な運転をするドライバーへの規制基準作成の助力となりうるものである。(以上、論文抜粋より)
この実験は男女あわせて40人の被験者を使い、ドライブシミュレーターで約40km弱の走行を4回行っている。まず普通に走り、次に普通の携帯電話使用、ハンズフリー装置使用、そしてオレンジジュースで割ったウオッカを飲み、血中アルコール濃度を0.08%にした状態で走行した。ちなみに、この血中アルコール濃度0.08%というのは、ほろ酔いを超えて、本格酩酊に至りつつある状態である。「大丈夫、ヒック、酔ってませんって、おっとっと」と言う状態。これは米国では、酔っぱらい運転と認定される最低のラインである。日本では0.03%以上で酒気帯びとなるのはご存じの通り。
抜粋の方では曖昧に書いてあるが、携帯電話使用時実験では3件の衝突事故があったが、酩酊時には無事故であった。酩酊時には車間距離が狭くなったする傾向はあったものの、コントロールの正常運転より有意に危険となる徴候はなかった。この研究では、ただ携帯電話使用のみが高リスクであることが示されたのである。
ちょっとこれではまずいと言うことなのか、共著者のフランク・ドリュー助教授はユタ大学のプレスリリースの中でこう述べている。「この研究は人々に飲酒運転を勧めるものではない。運転中に携帯電話を使うことは、飲酒運転と同等、もしくはそれ以上の危険をもたらすもので、社会的に受け入れられるものではないという意味なのだ」。
さて我が国では運転中の携帯電話使用はすでに違法となっているものの、罰金や点数は飲酒運転と比べれば微々たるものだ。こういう研究成果を踏まえて、携帯電話使用で一発免許取り消し、罰金数十万なんてのは、コイズミさん最後の国民への「痛み」プレゼントとして、実に相応しいような気がするが、どんなものであろうか。<Via>
David L. Strayer, Frank A. Drews, and Dennis J. Crouch, "A Comparison of the Cell Phone Driver and the Drunk Driver". Human Factors: The Journal of the Human Factors and Ergonomics Society. 381-391(11)
投稿者 webmaster : 2006年09月11日 21:37
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